W杯 カネ勘定はどうなる?
日本サッカー協会が手にする賞金9億円の使い道
今大会16強に進出し、日本サッカー協会には国際サッカー連盟(FIFA)から
計1000万ドル(約8億9000万円)もの大金が転がり込む。
賞金の使途を問い合わせたところ、「お金にまつわることは一切明らかにしておりません」
(広報担当者)との返事。また、「選手への報奨金の額も公表しておりません」(広報)
とのことだったが、最終登録23人全員に1次リーグ1勝につき100万円と、16強入りで500万円の
計700万円を支給するとみられる。23人で計1億6100万円。これを全額支払ったとしても、
賞金は7億2900万円も残る。岡田監督やスタッフへのボーナスを支払ったり、次期代表監督を
獲得するための原資に回すのではないかとの見方もあるが、一体何に使うのか。
「賞金だからといって一般会計と区別するのではなく、事業収入の一部として処理する。
4年後のブラジル大会へ向けた強化費や育成費などに回されるんじゃないか」(関係者)
実はこんな話がある。
「サッカー協会は今年3月、2010年度の予算案として、岡田監督の掲げた4強入りの
賞金2000万ドル(約17億8000万円)を当て込み、約53億円を計上していました。
16強の賞金8億9000万円では、当初予定の半額なんです」
ベスト4逃しは、協会の収入減になっていたわけだ。
●勝ち組アディダス 負け組みプーマ
一方、スポーツメーカーにとってもW杯はカネが大きく動く。
今大会はアディダス(独)が12カ国、ナイキ(米)が9カ国、プーマ(独)が7カ国と契約。
4強のうちドイツ、スペインはアディダス、オランダはナイキ、ウルグアイはプーマが
提供とメーカー間でも熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げている。
強豪国との契約を巡る争いは激しく、金額も莫大(ばくだい)。
ナイキはアディダスの4倍以上の3億2000万ユーロ(約350億円)で
フランスと2011年から7年半という長期契約をすでに交わしている。
大金が動くのも、W杯でチームが勝ち進んで露出が多くなれば、格好のアピールの場となり、
売り上げに大きく貢献するからだ。今大会すでにウハウハなのがアディダスだ。
レプリカユニホームの販売は06年ドイツ大会の300万枚をはるかに上回り、
650万枚(520億円)以上。物議をかもした公式ボール「ジャブラニ」も
1300万個以上(1000億円以上)を販売し、1000万個の目標を大幅にクリア。
8年350億円ともいわれるFIFAに支払う公式スポンサー料も十分に元が取れている。
「一番当てが外れたのは地元アフリカ諸国との契約が多いプーマでしょう。
ガーナがベスト8まで進出しましたが、コートジボワールやカメルーンは
1次リーグ敗退と期待外れでしたからね」(サッカー記者)
準決勝はドイツ―スペイン戦のため、アディダスの“決勝進出”は確定している。
もうひとつの優勝争いからも目が離せない。
2010年月7日6発行の日刊ゲンダイより
http://up.mugitya.com/img/Lv.1_up121783.jpg