◆外国為替市場概況:ドルがユーロに対し続落、米景気懸念残り(7月2日)
【ニューヨーク】2日の外国為替市場では、ドルがユーロに対して緩やかに下落した。米国6月の雇用統計は期待は
ずれに終わり、米国経済の回復力に対する懸念を払しょくするには至らなかった。
米国6月の雇用統計は予想を裏切ったが、指標が発表される以前からの主要通貨の相場の流れは変わらず、ドル相
場への悪影響は長続きしなかった。米国独立記念日(7月4日、5日は振替休日)の3連休の週末を控えた薄商いのため に、北米市場での値動きは増幅された。
雇用統計は、「悲惨な内容ではなかった」とUBSの通貨ストラテジスト、ブライアン・キム氏は述べ、このところ
発表される米国経済指標が立て続けに期待を裏切っていたので、「もっと悪い内容をみなが予想していた」と語っ
た。
それでも、「ドルにとっては、厳しい状況になるだろう」と言う。この1週間、ユーロは悪材料から免れ、いまも
続くユーロ圏のソブリン債務危機への投資家の懸念が、少なくともいまのところは和らいでいる。ユーロはこの1週
間でドルに対して約1.3%反発したが、年初来ではまだ12.4%下落している。
主要通貨が狭い値幅にとどまるなか、ユーロは心理的に重要な節目の1.2600ドルをやや上回ったが、北米市場午
後の薄商いで失速した。
6月の雇用統計は、「米国経済の勢いに対する懸念を緩めるほど強くはなかった。ドルには売り圧力が残るだろ
う」とブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外国為替グローバルヘッド、マーク・チャンドラー氏は語った。
「(ユーロ圏の)ソブリン債務危機に関する材料が表舞台から下がり、市場の焦点は米国と中国の経済情勢に転じ
ているが、最近の経済指標は芳しくない」とソシエテジェネラルの外国為替部長、カール・フォルチェスキー氏は指
摘した。
投資家は欧州の銀行システムに対して信頼を高めており、ユーロ安を予想した金の買い持ち高を解消している。金
を売り、ユーロを買い戻す動きも、ユーロ高につながるだろう、とMFグローバルの債券・外国為替アナリスト、
ジェシカ・ホバーセン氏はみている。「懸念が後退し続けるならば、金買い・ユーロ売りの持ち高がさらに解消され
るだろう」と述べた。自身はユーロ圏の銀行システムについて懸念し続けているものの、ユーロはさらに押し上げら
れるだろうとホバーセン氏は語った。
NY市場終値 2日16時50分 (1日17時50分)
ドル 87円81-83銭 (87円72-75銭)
ユーロ 1.2557-61ドル (1.2515-16ドル)
英ポンド 1.5190-95ドル (1.5165-69ドル)
スイスフラン 1.0630-42フラン (1.0597-02フラン)
ユーロ 110円27-32銭 (109円78-80銭)
豪ドル 73円92-95銭 (74円20-32銭)
英ポンド 133円40-42銭 (133円07-12銭)
カナダドル 82円55-60銭 (82円79-40銭)
NZドル 60円45-51銭 (60円62-75銭)
(ダウ・ジョーンズ)
ソース:ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版 2010/07/05 07:40
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_79187