みの電子、冷凍倉庫用LED照明開発 零下60度でも明るく
2010/7/1 6:08
発光ダイオード(LED)関連機器メーカーの、みの電子パーツ(徳島市、見野幸一社長)は冷凍倉庫に設置するLED照明を開発した。
周辺温度の低下で照度が落ちるのを防ぎ、零下60度の環境下の実験でも明るさを確保した。初期の設置費用も従来の蛍光灯などの
照明と同程度という。少ない消費電力で明るさを確保できる点を強調し、冷凍食品を扱う企業などに売り込む。
冷凍倉庫用に開発した照明はLED素子40個を4列に計160個装着。サイズは幅約13センチ、長さ約1メートルで、消費電力は
約80ワット。LEDは周辺の温度が下がると、電流が減少して照度が下がる傾向があるが、新製品はコンデンサーの容量を
増やすことなどで低温下でも機能低下を起こさないようにし、照度を確保した。価格は1基20万円前後を想定している。
都内の冷凍倉庫に製品を納入し、零下60度の環境下で実証実験を続けている。照度は従来の200ワットの電球6個分を上回るという。
LED照明は従来型の照明に比べて高価格なのが課題とされている。これは、点灯によって発生する熱を外に逃がすための板の
装着など、放熱対策が主なコストの押し上げ要因になっているため。だが低温化では放熱対策が不要で、冷凍倉庫に設置する
従来型の照明が高価格になることもあり、初期費用にほとんど差がないという。
零下60度クラスの冷凍倉庫は、マグロなど変色すると商品価値が落ちる高級魚の保管が中心。まずは市場が大きく需要が
見込めるアイスクリームや一般の冷凍食品などを保管する零下30度前後の倉庫向けに売り込む。商品の年間売上高は約1億円を
見込んでいる。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819890E0E0E2E2998DE1E2E2E4E0E2E3E29E93E2E2E2E2