かわいい赤ちゃんと言えるかどうかはわからないが、最も“若い”太陽系外惑星の存在が最新の赤外線画像によって
確認された。研究によれば、この惑星は急速に成長中だという。
この惑星は「がか座ベータ星b」で、誕生から数百万年しかたっていないと見られる。一般的にこのような惑星が
“大人”になるには1千万年はかかると言われているが、この惑星はすでに“完成”されているという。これまでは、
最も若い惑星は3500万年前に誕生したBD 20 1790bとされていたが、その記録が破られたことになる。また、この若い
惑星はこれまで確認されている太陽系外惑星の中で親星との距離が最も近く、その距離は土星と太陽の距離とほぼ
同じである。
地球から約63.4光年離れたところにあるこの親星は太陽に似た恒星で、「がか座ベータ星」というシンプルな
名前がついている。がか座ベータ星b同様に比較的若く、太陽が誕生から45億年であるのに対して約1200万年である。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影し2006年に発表された画像など、過去の写真から、若い小惑星や惑星の衝突による塵
(ちり)などでできたと思われるデブリ円盤が、がか座ベータ星の周りを取り巻いていることが明らかになっている。
デブリ円盤に隙間ができることでこの恒星の周囲にリングが形成されていることから、木星に似た巨大ガス惑星が
デブリ円盤をはき散らかしながら通過していることが推測されていた。そして2009年、ヨーロッパ南天天文台の
超大型望遠鏡VLTが撮影した最新画像によって、この惑星の存在が初めて確認された。
決め手となったのは、同じ恒星系を撮影した不鮮明な2003年の写真(右上)と2009年の写真(右下)とで、惑星の
軌道上の位置が異なることである。このことから、2003年の写真は背後の恒星ではなく実際に惑星を捉えたもので
あることが証明されたと考えられる。この赤外線画像は、木星の約9倍の質量を持つがか座ベータ星bが実際に太陽系
外惑星であるだけでなく、すでに“完成”した惑星であることを明らかにしている。
「惑星の形成にかかる時間に関する直接的な証拠が初めて得られた。従来考えられていたよりずっと成長が速いことを
示す初の証拠でもある」と、この研究を率いるフランスのグルノーブル天体物理研究所のアンヌ・マリー・ラグ
ランジュ氏は話す。同氏は、ちりのリングを持つ恒星の周囲は「未知の惑星を探す格好の場所」と考えている。ただし、
恒星にリングがあれば惑星が必ず存在すると信じているわけではない。別の恒星が近くを通過する際にデブリ円盤から
大量のちりが重力によって抜き取られてリングが形成される場合もある。
>>2以降に続く
ソース:
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100611002&expand 画像:これまで確認された中で最も若い太陽系外惑星、がか座ベータ星bの想像図(左)。 右はがか座ベータ星bの
写真(白い丸)。上は2003年、下は2009年に撮影。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/bigphotos/images/exoplanet-motion-tracked_21470_big.jpg