■米仏ロの3国、「低濃縮ウラン国外転送」合意案に懸念表明
【ウィーン小川敏】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会は9日、イランの核保障措置履行問題について協議を再開した。
天野之弥事務局長は「イランが低濃縮ウランの国外転送でトルコとブラジル両国と合意した共同宣言について、
米国、フランス、ロシア3国政府(ウィーン・グループ)から返答の書簡を得た。3国はいずれもイランらの共同宣言の内容に
懸念を表明していた」と理事会(理事国35カ国)に報告し、「IAEAとしては今後、この問題で関係国らと協議を進めていく」と述べた。
イランは先月24日、同国保有の3・5%の低濃縮ウラン(LEU)約2・4トンの半分、1・2トンをトルコに国外搬出して保管する一方、
20%の濃縮ウランを入手することでトルコ、ブラジル両国と合意した旨をIAEAに報告したが、米仏ロ3国からは同案に対する正式な返答はこれまでなかった。
米仏ロの3国が「懸念」を表明したことから、イランの低濃縮ウランの国外転送問題の見通しは再び、不確かとなった。
ちなみに、非同盟諸国同盟(NAM)代表は8日、「トルコ、ブラジル、イランの3国間で合意したイランの低濃縮ウラン国外転送に関する
共同宣言(5月 17日)を歓迎する」と述べている。
ソース:
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/100609-205847.html