六月から支給が始まる子ども手当をめぐり、足利市は、受給対象者が保育料と学校給食費を
滞納している場合は、窓口での現金手渡しとその際に滞納分の納付相談に応じるよう市独自で
同意を得る作業を続けている。滞納解消が目的だが、個人情報保護の観点から、市側が一方的に
滞納額を割り出し、手当を滞納分に充当させることができないためだ。
市によると、子ども手当の支給対象は約一万二千世帯。すでに児童手当が支給されている世帯を
除く、約三千七百世帯中、約二千六百世帯で「子ども手当」の支給手続きが完了。このうち約
二千百世帯が「滞納調査」の書面に同意している。しかし、滞納者かどうかの照合はこれからだ。
市によると、二〇〇八年度決算での滞納繰越額は、保育料が約三千三百万円(延べ二百三十五人)、
給食費が約九百万円(同百七十人)に上っている。
保育料、給食費それぞれの市担当者は、実態を把握しているが、市によると、子ども手当の
担当者が、対象世帯が滞納者か否か、滞納額がいくらか、のデータを調べるには、個人情報保護の
観点から当事者の同意が必要だとしている。滞納者が同意しない場合は、通常通り金融機関の
口座振り込みで支給されるため、滞納改善の強制力はない。政府に子ども手当の見直しを求める
「現場から国を変える首長の会」の代表を務める大豆生田実市長は「制度自体に問題がある。
職員の負担は増すが、市としてできる方法を採った」と話している。 (清水祐樹)
ソース:
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20100525/CK2010052502000091.html