【カイロ和田浩明】英国の人気歌手エルトン・ジョンさん(63)が18日にカイロで予定していたコンサートが
中止された。ジョンさんが同性愛者で、イスラム教でも預言者として敬われるイエス・キリストを同性愛者だと
発言したことを、エジプト側が問題視したため。性的指向や表現の自由に関し、欧州と中東の許容度の違いが
表面化したケースと言えそうだ。
ジョンさんは米国の雑誌「パレード」に2月に掲載されたインタビューで、「イエスは非常に知的な
ゲイ(同性愛者)だったと思う」と発言。中東諸国での同性愛のタブー視も批判した。コンサート開催の許諾権を持つ
エジプトの音楽家組合のワシミ組合長は毎日新聞の取材に対し、「個人的指向は自由だ」と述べつつ、公演拒否の理由を
「アーティストは若者に対する影響力が極めて強い。信仰や預言者を侮辱する人物には演奏してほしくない」と説明した。
ジョンさんは同性愛者であることを公表しており、05年にはパートナーと同性婚関係を結んでいる。今月は同じ
イスラム国のモロッコでもコンサートがあるが、予定通り行われる見込み。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、
エジプト治安当局が売春規制法規を拡大適用して同性愛者を拘束しているとして、「基本的人権が侵害されている」と批判している。
ソース:
http://mainichi.jp/select/today/news/20100515k0000e030018000c.html