徳島大学医学部などの解剖実習のため、自らの遺体を無報酬で提供する献体の希望者が増えている。
4年前から新規登録者数を制限しているが、申込日には受け付けから数十分で定員に達し、担当者も驚くほど。
死生観の変化や、一人暮らしの高齢者の増加などが背景にあるようだ。
献体希望者らでつくる徳島大学白菊会によると、医学部と歯学部の解剖実習のために、年間約40体が必要。
希望者は同会に登録し死後、解剖に提供される。大学は年1回、献体者のための追悼式を行っている。
1992年度から2001年度までの10年間では、新規登録者は年65人程度だった。一方、死者数は
35人で献体を確保するのがやっとの状態だった。しかし、02年度から4年連続で新規登録者が100人を超過した。
献体が増え過ぎると、安置場所の確保が難しく、06年度からは新規の登録者を30人に制限した。それでも、
毎年4月1日の申込日には数十分で定員を超え、現在の登録者は計1054人に上る。
医療に貢献したいという思いから登録する人が多い。このほか、最近では「手間と金がかかる葬式は必要なく、
大学の追悼式で十分。子どもに迷惑を掛けたくない」「身寄りがないから」などの理由を挙げる希望者も増えてきたという。
同会の神野美昭理事長は「高齢者の一人暮らしが増えるなど、家族構成の変化が背景にあるのではないか。
死生観も変わって、葬式などに対して考え方が多様化しているのかもしれない」と話した。
ソース:
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2010/05/2010_127381495095.html