5月に開幕する中国・上海万博に向けて治安対策が強化されている上海市で、犬の散歩や
刃物の購入にも規制が加えられ、市民生活が窮屈になっている。
地下鉄駅での手荷物検査に反発する市民もおり、市当局は、各家庭に万博のチケットを
プレゼントする方針を打ち出すなど不満解消に躍起だ。
上海市では、パジャマ姿での外出禁止などマナー向上を理由とした規制が行われてきたが、
先月から、狂犬病防止などのため万博会場や観光名所の外灘(バンド)、広場などでの
ペット犬の散歩が禁じられ、違反すると100〜500元(約1400〜7000円)の罰金に。
万博開催期間中に刃物を購入する場合は身分証の提示が義務付けられ、販売店は購入者の
情報を近くの派出所に報告しなければならなくなった。
規制強化に対する市民側のいら立ちも募っているようで、地下鉄駅での手荷物検査に応じない
利用客も多いという。
検査を嫌がる利用客に何度もののしられた検査員が、インターネット上で「素直に協力してくれる
地方出身者や外国人に比べて上海人の素質は低い」などと批判する騒ぎも起きた。
市民の不満を少しでも和らげようと上海市トップの兪正声(ユ・セイセイ)共産党同市委員会書記は
このほど「インフラや会場建設で市民生活に多くの影響を与えたが、庶民は耐えてくれた」と謝意を
表明。「貢献精神」へのお礼として各家庭に万博のチケット1枚と200元(約2800円)相当の
交通カードを贈呈すると約束した。 (共同)
スポニチ
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