小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法
違反事件で、小沢氏は問題の土地代金の原資について、東京地検特捜部に対し、
自己資金の4億円を同会に貸し付けたとの説明をしている。
一方、国会議員資産公開法により、国会議員は貸付金を報告しなければならないが、
小沢氏の資産等補充報告書にはこれに見合う記載がない。同法に罰則はないものの、
小沢氏は2日現在で報告書の訂正をしておらず、資産公開について虚偽報告の状態が続いていることになる。
陸山会は2004年10月、東京都世田谷区の土地を購入しながら、同年分の政治資金
収支報告書に土地代金に充てた4億円の収入などが記載されていなかったことが判明している。
小沢氏はこれまで2回行われた特捜部の事情聴取に対し、この4億円は、
家族名義の銀行口座から引き出すなどし、現金で保管していた自己資金を同会に貸し付けたものと説明。
聴取後の記者会見でも同様の説明を行い、「個人資産の中身をあえて公表する必要性も
ないと思っているが、このような事態に至ったので、具体的に申し上げた」などと話していた。
しかし、国会議員に資産の公開を義務づけた国会議員資産公開法は、新たに増えた貸付金も
資産等補充報告書に記載しなければならないと定めている。小沢氏が05年4月に衆院に提出した
報告書には、この4億円に見合う記載は見あたらない。
同報告書には、04年中に新たに生じた「借入金」と「貸付金」として、それぞれ「4億円」との記載がある。
陸山会は、土地代金を支払った直後に、4億円の定期預金を組み、これを担保に小沢氏が4億円を銀行から借り入れ、
同会に同額を転貸している。この資金移動は同会の政治資金収支報告書に記載があり、
資産等補充報告書に書かれた4億円の借入金と貸付金は、こちらの金と見られる。
資産公開法はリクルート事件などがきっかけで、1992年12月に議員立法で成立。
ただ、違反行為に罰則がなく、普通預金や現金は公開の対象外だ。福岡政行・白鴎大教授(政治学)は
選挙で選ばれ、歳費を受け取っている国会議員は、国民に自身の資産を説明する最低限の義務がある。
今回の小沢氏のケースでは、資産報告に記載されていないとみられる金額も大きい」としたうえで、
「虚偽報告には罰則を設けるなど、現行の資産公開制度を厳格化すべきだ」と指摘している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100202-OYT1T01493.htm?from=main1