ドラマ「相棒」の人気が男性同士の恋愛を楽しむ腐女子の間で過熱中だ。もともと女性人気は高かったのが、ミッチーがレギュラー出演して
から、「萌え」濃度が高まり、新たなファンの開拓につながっているとか。実は「相棒」以外にもテレ朝系刑事ドラマには「萌え臭」を発散する作品
が多い。なぜ!?
都内に住むフリーターのA子さん(28)も「相棒」に萌える腐女子のひとり。現在放映中のシーズン8から欠かさず見るようになった。もちろん
きっかけはミッチーこと及川光博(40)だ。同じように「相棒」好きの“相友(あいとも)”と、妄想メールしながらドラマを楽しんでいる。
ミッチーの役どころは、水谷豊(57)演じる主人公・杉下右京の新しい相棒候補・神戸尊(かんべ・たける)役。右京は数々の事件を解決
に導いてきた切れ者だが、警視庁きっての変人で上層部から疎まれているため、窓際職場の特命係にいる。そこに左遷されてきた刑事役が
ミッチーだ。
A子さんはドラマの場面の端々に「萌え」を見いだしている。例えば──。
右京が上司と居酒屋で酒を飲んでいる。尾行してきた神戸が店の外から2人の様子をうかがっている。
A子さんはすかさず“相友”にメールする。
「ミッチーは右京が好きだから、気になって仕方ないんだね。焼きもちを焼いてるんだね」
実は神戸は警察庁上層部から「杉下は組織にとって有害な人物か調査せよ」という密命を受けた内偵者、つまり右京の見張り番なのだ。
立場上、尾行に張り込みくらいしてもおかしくないのだが、そこにめくるめく萌えを見いだし、妄想しながらドラマを見る。
さらに妄想は暴走する。……右京は周りの男性からモテモテ。ふだんから敵対している捜査一課の刑事トリオでさえも実は右京が好きで
彼を狙っている。誰が彼をモノにするか。男同士の争いの中で、モテモテの相棒を好きになった神戸はたいへん、という脳内設定。腐女子用語
で表現すると、A子さんのお気に入りは、神戸が「攻め」で、右京が「受け」のカップリングで、からみを妄想する。
実は「相棒」の萌え路線はミッチー登場に始まったことではない。萌えにおける最大の功労者は、A子さんの“相友”もまいっている警察庁長官
官房室長の小野田公顕役の岸部一徳だ。前出のミッチーに見張られていた居酒屋の場面に登場した上司も岸部である。
小野田室長は右京を呼ぶとき、低音かつ低温なセクシーボイスで、愛しげに「おまえ」と呼ぶ。この場面がある種のレセプターを持つ人間には、
きわめてエロい。上司と部下のごくふつうのやりとりを演じただけなのに、ただならぬ背徳感が漂ってしまう2人に、ずっと昔から「やられて」いた
腐女子は多い。
(中略)
さらに制作サイドが「腐女子のみなさん、おいしくいただいてください」とメッセージを送ったのではないかとすら思わせる、確信犯的なエピソード
がある。
2004年に放映されたシーズン2の18話「ピルイーター」だ。監察官の大河内春樹(神保悟志)と部下の男性が不倫関係にあったことが
描かれている。
「やつが女と心中するとは思えない」
「男を愛するのは罪ですか?」
眼鏡にオールバックの髪形、きっちりスーツと、腐女子萌え要素満載の容姿をもつ大河内が、亡くなった部下を思いベランダで涙する姿は、
まさにボーイズラブ漫画のひとコマ。
フリーク間にさらなる衝撃が走ったのは2009年3月のことだ。シーズン7の最終回。神戸刑事の初登場の回だが、そのことが衝撃なのでは
ない。ドラマの最後のほうに、大河内と神戸の密会シーンが挿入された。
テレビ朝日編成制作局の松本基弘プロデューサーはこう話す。
「あんなに色っぽく撮れて驚きです。及川さんと神保さんがそういうふうに演じてくれたんですね。狙ったわけではありません」
(以下略。全文はソース元でどうぞ)
ソース(@nifty・週刊朝日)
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20100113-01/1.htm