◇<全国高校ラグビー>注目は初のBシードで出場の大阪朝鮮
第89回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会、全国高体連、
大阪府、大阪府教委主催)は、27日に東大阪市の近鉄花園ラグビー場で開幕する。
出場51チームの中で注目を集めるのが、4回目の出場にして初めてBシードに選ばれた
大阪第3代表の大阪朝鮮だ。前回の花園を制した常翔啓光学園を代表決定戦で降し、
2年ぶりの舞台に立つ。【平本泰章】
11月8日の常翔啓光学園戦は、激しいタックルでターンオーバーを狙い、そこから攻撃に転じる
展開がさえた。「自分たちの展開に持ち込めれば勝てると確信していた」と呉英吉監督(41)。
前半に力強いモールで攻めて3トライを挙げ、後半は出足鋭い防御で相手の反撃をかわした。
常翔啓光学園の杉本監督が「試合をさせてもらえなかった」とこぼしたほどの完勝だった。
部員51人は全員が東大阪朝鮮中級学校からの進学組。ほとんどが中学からラグビー部所属で、
互いのプレーを知り尽くしているのも強みだ。また、2年生は中学時代に近畿大会準優勝を経験した
“黄金世代”。17歳以下日本代表のCTB権裕人ら9人がレギュラーを占め、主将の呉泰誠(3年)は
「2年生の成長が大きな力になった」と頼もしい後輩の活躍に目を細める。
昨年12月の新チーム発足後は、結果が出ない時期が続いた。2月の近畿大会は府予選で敗れ、
4月の選抜大会出場を逃した。呉監督は「逆にチームの方向性が定まった」と言い、以後は徹底的に
防御を強化。練習で伝統のタックルに磨きをかけ、練習試合では「相手をノートライに抑える」ことに執着した。
「マイボールだけが攻撃じゃない」というスタイルが秋に結実した。
呉監督は「自分たちのペースでできれば、シードに恥じない試合をする自信はある」と言い切る。主将の呉も
「挑戦者の精神を忘れず、在日同胞だけでなく、日本社会に感動を与えるラグビーを見せたい」。これまでの
最高成績は第84、87回大会の16強。まずは3回戦突破に照準を合わせて花園に乗り込む。
ソース(YahooJapan 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091224-00000070-mai-spo