★西松建設献金事件:小沢氏秘書初公判 政界・業界・市民ら、さまざまな声 /岩手
◇「分からない」「白黒を」
小沢一郎・民主党幹事長の公設第1秘書、大久保隆規被告の初公判で、再び、
小沢事務所と建設業界との密接な関係がクローズアップされた。
県内の政界、建設業界、市民などからは「分からない」「適切だ」「はっきりさせて」など、
さまざまな声が上がる。来年には参院選を控える中、改めて「政治とカネ」という問題に
どう向き合うかが問われた。【湯浅聖一、岸本桂司、山口圭一】
■県・建設業者
検察の冒頭陳述では、西松建設以外の業者が受注した
「県立福岡(現・二戸)病院新築(建築)工事」(落札率96・04%)、
「小白浜漁港関連道整備(トンネル築造)」(同95・88%)でも、「天の声」が指摘された。
落札した県内建設会社のうち1社は「検察の冒頭陳述内容を見ていないので、コメントしかねる」と回答。
別の業者は「スポンサー企業の状況は我々は分からない」と戸惑う。
検察側は、未発注の主要地方道「花巻大曲線」2期工区の「小倉山4号トンネル」でも、
小沢事務所に業者の陳情があったとする。
県の発注担当課は「通常通り手続きした」「適切にやった」と口をそろえる。
県総務室の金田学入札課長は「当時、そのような事実があったとは聞いていない。分からない」
と言うばかりだった。
■政党
奥州市水沢区の小沢一郎後援会事務所では、人の出入りがなく、いつもと変わらない様子だった。
地元秘書は「責任者がおらず、対応できない」と答えるのみだ。
だが、「無罪の主張は当然だ」と、民主党県連の工藤堅太郎代表は自信を見せた。
県発注工事に関しても「(大久保被告の)職務権限上考えられない」と否定。
来年の参院選への影響については、「あるとは思えない」とし、
圧勝した衆院選の流れを継続できるとの見方を示した。
他党は批判を強め、説明責任を求める声が上がる。
公明党県本部の小野寺好代表は「あきれる。隠していることを白状しているようなものだ」と談話を出した。
共産党県委員会・菅原則勝委員長は「小沢氏には政治的、道義的責任がある。
企業献金を受けた西松以外の各社との関係も国会で説明すべきだ」と求めた。
連立を組む社民党県連合の伊沢昌弘幹事長は「違反かどうかは裁判で決着すること。
いずれにしても金権政治からの決別を迫るものだ」と、静観する。
■市民
小沢氏の地元、奥州市水沢区内で買い物をしていた胆沢区小山の無職、菅原脩さん(73)は
「鳩山首相の故人献金問題や、二階俊博衆院議員の違法献金事件など、金にまつわる問題が多すぎる。
政治家はもっと本来の仕事をしてほしい」と話した。
盛岡市では、同市大通りを歩いていた盛岡市上田、会社員、佐藤明美さん(29)は
「否認しようが、負ける裁判をしたがらない検察が起訴したので、
政治とカネの問題は少なからずあるんだろうと思う」と述べた。
政権交代を期待して今夏の衆院選で民主党に投票した盛岡市本宮、無職、菊池正治さん(61)は
「司法は真偽を見極め、法廷で白黒つけてほしい」と述べた。
毎日新聞
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20091219ddlk03040005000c.html