海外の高級ファッションブランドが相次いで日本からの撤退・縮小を決めている。
世界のブランドが日本を「プレミアム市場」と位置づけた時代は過ぎ去ったのか。
【宮崎泰宏】
英フィナンシャル・タイムズは今月7日、イタリアの高級ブランド、ジャンニ・ベルサーチが
日本の直営店を既に閉店し、日本法人の事務所も月内に閉鎖すると報じた。
派手な色合いのスーツやネクタイ、腕時計で、元プロ野球選手の新庄剛志さんなどの
有名人が愛用していたことで知られるブランド。
東京・紀尾井町のホテルニューオータニにあった日本法人の本店に電話すると、
「番号は使われていません」のメッセージが流れるだけ。
ホテル関係者によると、すでに店舗を閉鎖したという。
三井物産などは5日、英「バーバリー」と結んでいる日本でのコートの生産販売に関する
2020年までの契約期間を5年間短縮した。
三井物産は「経済環境が激変し、長期契約の是非を検討し直した」と話す。
数寄屋橋交差点近くで工事が進む地下4階、地上12階建てのビルには、
ルイ・ヴィトン・ジャパンの顔になる大型旗艦店が入居する計画があった。
しかし昨年12月に白紙に戻った。ヴィトンの代わりに入居を決めたのは、
低価格のカジュアル衣料を世界で展開する専門店、米ギャップ(GAP)。
大手商社の幹部は
「流行鮮度の高さと安さが両立するファストファッションの時代の象徴だ」
と話す。
海外の高級ブランド店はかつて、百貨店を日本進出の足場とし、客を集めて、路面店を増やした。
しかし、不況で百貨店からの客離れが進む中、
若者層の人気は「ユニクロ」に代表される手ごろな価格の専門店に集中、
高級ブランド離れが加速。
1割前後の売上高の減少が続く百貨店の中でも、
「高級ブランド品に限ると2割近くの減少が続いている」(大手百貨店)という。
矢野経済研究所によると、08年の海外高級ブランドの国内市場は
1兆643億円と前年比10.2%減少。09年は1兆円を割り込む見通しだ。
記事から一部抜粋しました。
ソース
毎日新聞
http://mainichi.jp/life/fashion/news/20091029k0000e020047000c.html