■論文ねつ造・横領の黄禹錫博士、地裁が執行猶予
胚性幹細胞(ES細胞)に関する論文をねつ造して研究費を獲得し、横領などの罪で起訴された
元ソウル大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)博士に、ソウル中央地裁が26日、懲役2年・執行猶予
3年を言い渡した。
裁判部は判決文で、「科学的な研究が目的といえども、法的範囲をはみ出し人間の卵子を利用した
上に、虚偽の税金計算書などを利用した詐欺・横領額は8億3000万ウォン(6480万円)に達し、
被害者に返さないなど、罪質が重い」と述べた。その一方で、卵子利用にあたっては法的諮問を
要請したこと、詐欺・横領した金は個人的な財産づくりや私的な用途ではなく研究関連に使ったこと、
卓越した研究業績を残していることなどを酌量事由に挙げ、過ちは小さくないものの実刑を言い渡す
ほどではないとの判断を示した。
地裁は論文ねつ造事実と同時に、政府支援研究費関連の詐欺・横領、卵子の違法利用などの罪に
ついて、黄博士の有罪を認めた。しかし、論文をねつ造してSKと農業協同組合から20億ウォンの
研究費を得た特定経済犯罪加重処罰法の詐欺容疑については無罪を宣告した。
また、黄博士とともに起訴されたキム・ソンジョン研究員に対しては懲役2年・執行猶予3年を、
李柄千(イ・ビョンチョン)ソウル大学教授には罰金3000万ウォン、姜成根(カン・ソングン)
元ソウル大学教授は罰金1000万ウォンを言い渡した。
黄教授は2004〜2005年、ねつ造したES細胞関連の論文を科学誌サイエンスで発表した後、
患者対応型ES細胞の実用化の可能性を誇張し、農業協同組合とSKから研究費を受け取ったほか、
政府からも支援研究費の支給を受けるなどの罪に問われ、2006年5月に在宅で起訴された。
■写真:公判後、報道陣に取り囲まれる黄禹錫元ソウル大学教授
http://img.yonhapnews.co.kr/Basic/Article/JP/20091026/20091026174516_bodyfile.jpg ■ソース:聯合ニュース
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2009/10/26/0800000000AJP20091026003700882.HTML