介護労働安定センターは10月19日、東京都内で「介護労働を魅力あるものに―介護労働の
現状と介護職の未来―」と題したシンポジウムを開いた。パネルディスカッションでは、職員に
対する教育・研修制度の重要性や、職員の処遇を改善するために必要な方策を指摘する声が
相次いだ。
シンポジウムでは、介護職員に対する研修の重要性を指摘する声があった。
訪問介護事業所などを展開するジャパンケアサービスグループ社長の馬袋秀男氏は、
介護職員が長期にわたって勤務する環境をつくるためには、給与体系を整備するほか、
職員が利用者の期待に応えるために必要な、現場での研修カリキュラムを策定することが
必要との認識を示した。また、キャリア教育の立場から法政大大学院経営学研究科教授の
桐村晋次氏は、介護の教育に関するプロフェッショナルを養成することが重要と指摘した。
また、介護職員の処遇を改善するための方策についても意見交換が行われた。
特別養護老人ホーム「ラポール藤沢」施設長の阿部充宏氏は、民主党が政権公約に掲げた
介護職員の賃金アップや、今年度補正予算に盛り込まれた介護職員処遇改善交付金などに
ついて触れ、雇用対策のために給与を上げるだけでなく、介護という仕事に対する正当な評価
としての賃金アップであるべきと主張した。また、淑徳大総合福祉学部准教授の結城康博氏は、
同交付金や今年4月の介護報酬改定などの処遇改善策について「まだまだ足りない」とし、国の
政策を根本的に変え、介護が成長産業になるための方策を議論すべきと指摘。行政が介護
職員の働きやすい環境を整備するために通達を出すほか、介護現場を「雇用の調整弁」と
することなく、人材が定着するために必要な方策を議論すべきなどと主張した。
ソース
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24836.html