ソース:文化/来年入試で人気になりそうな学部・学科系統 不況反映、人気の経済系半減
http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200910170023a.nwc 画像:来年人気になりそうな学部・学科系統ランキング
http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200910170023a2.jpg 前回に引き続き、7月に大学通信が行った進学高校の進路指導教諭へのアンケート結果についてだ。
今回は「来年入試で人気になりそうな学部・学科系統はどこか」について聞いた回答の一覧。
各系統別の票数を回答者数で除した割合でランキングしている。
トップは経済系で38.3%の支持を集めた。2位以下は順に看護、医療技術系、農学系、工学系と
理系の学部が続いた。昨年もトップは経済系で、7割近い支持があったが、今年は半分近くにまで減っている。
こうなったのは、やはり不況の影響だろう。学部・学科選びは4年後の就職を考えながら行うのが
一般的だからだ。経済系学部は好景気の時に人気が高くなる。企業の採用が好調な時には、
経済系学部が就職に強いからだ。サラリーマン養成学部といわれる由縁でもある。
不況とはいえ経済系が今年トップなのは、まだまだ企業の採用は底ではないとの判断からかもしれない。
また、今年の特徴として、理系が上位を占めている。例年、不況になると理系が強い。
特に卒業後、国家試験受験資格を得られる資格系学部の看護が2位、医療技術系が3位にきている。
国家資格で就職氷河期を乗り切ろうとの考えの受験生が多いことの表れだ。
ただ、ひと口に資格といっても、6年制の学部は明暗が分かれた。医学部は8位で人気は高いが、
薬学部は18位、獣医系学部、歯学部はランク外だ。医学部以外の6年制の学部の人気は下がっている。
学ぶ期間が長く学費がかかる割に卒業後の見返りが少ない、との考えから敬遠されているとみられる。
また、農学部が4位、工学部が5位に入っているが、不況期でも技術職の採用はあまり減らないとされ、
受験生に人気が高いようだ。近年人気が下がり続けてきたため、入りやすくなったことも人気の理由だろう。
一方、来年は人気が低下しそうなのが文系学部だ。かつて人気だった社会福祉学部が19位まで下がり、
代わりに教員採用が活発なことから教員養成系学部が7位に上がってきている。
法科大学院の人気低下などから低迷していた法学部系だが、不況で公務員人気がアップする可能性が高く、
来年は人気が復活しそうだ。
文系ははっきりした資格が少ないが、それによって理系ほど就職に差がつくわけでもない。
あまり就職にこだわらず、自分が本当に学びたい学部を目指すのも方法ではないだろうか。(大学通信 安田賢治)