■長崎・海上自衛官自殺訴訟:3曹側勝訴 支援者が報告出版、真実知る苦労つづる
◇いじめ自殺、立証の記録
海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)の護衛艦「さわぎり」内での男性3曹
(当時21歳)の「いじめ自殺」を巡る勝訴確定を受け、原告の両親を支える会が
報告集「自衛官の人権を求めて」(B6変判、262ページ)を出した。毎年80〜100人
以上の自衛官が自ら命を絶ち、裁判も各地で相次ぐ中で、国の責任を認める初の
判決となった。母親(61)は「多くの人に読んでもらい、再発防止の世論を高めて
いければ」と話している。
08年8月の福岡高裁の控訴審判決は、直属の上官が「バカかお前は、3曹失格だ」
などと、3曹を侮辱する言動を99年11月に自殺するまで約2カ月にわたって繰り
返していたと認定。「指導の域を超えた違法な言動があった」として自殺との因果
関係も認め、両親に計350万円を支払うよう命じた。国は上告を断念し、両親の
勝訴が確定した。
報告集では、両親や弁護団、支援した国会議員らがそれぞれの立場から振り
返った記録をまとめている。
特に、両親が提訴に踏み切るまでには苦難の道のりがあった。いじめを否定した
防衛庁(当時)の事故調査報告を疑い、「真実を知りたい」と独自に情報を集めた。
細いつてを頼りに議員に国会で取り上げてもらった。口の重い元同僚から何とか
実態を聞き出していじめがあったことを確信し、裁判を起こした経緯を記した。
宮崎市の実家にある3曹の部屋は10年間そのまま残してある。自殺直前に生まれた
彼の長男は今年11歳。成長するにつれ父の面影が色濃くなるという。
母親は「他のいじめを巡るどの報告書も、自衛隊が自らの責任を認めないように
一生懸命考えて作っている。防衛省の幹部はただ真摯(しんし)に受け止めてほしい。
二度とこんなことが起きないようにすることが、あの子の願いでもある」と話す。
防衛省によると、事務官を含む自衛官の自殺者は04〜06年度が100人強、07、
08年度は80人台で推移している。いじめによる自殺の統計はないが、原因別では
どの年度も「その他・不明」が最多だ。同様の裁判は横浜地裁で護衛艦「たちかぜ」の
1士(当時21歳)、静岡地裁浜松支部で航空自衛隊浜松基地の3曹(同29歳)の
遺族らが係争中だ。
報告集は1500部を製本。1部1000円。問い合わせは宮崎県平和・人権・環境
労組会議内の支える会事務局。
■ソース:毎日新聞
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20091006ddg041040012000c.html ■依頼ありました
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1252328659/321