★全精社協、組織ぐるみで裏金づくりか 疑惑の元職員、裏金引き継ぐ
全国の障害者団体などでつくる社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」
(全精社協、東京)の補助金不正流用疑惑で、経理担当の元職員(58)が
平成15年に全精社協に就職した際、約3千万円の裏金を引き継いでいたことが21日、分かった。
元職員が産経新聞の取材に、「平成10年ごろから裏金をつくっていたと幹部に説明された」
と証言しており、組織ぐるみで不正経理を行っていた可能性が高まった。
元職員は裏金の一部を私的流用した疑いが持たれており、大阪地検特捜部が業務上横領容疑での
立件に向けて捜査を進めているもようで、全精社協の不正経理の全容解明も目指すとみられる。
また、全精社協は政治家や厚生労働省幹部に働きかけ、19年春に栃木県さくら市の
精神障害者福祉施設「ハートピアきつれ川」の運営権を破産した財団法人から譲り受けている。
譲渡には厚労省などが深く関与したが、長期にわたって不正経理を続けてきた全精社協に対する
“審査”の甘さが問題になりそうだ。
元職員によると、15年10月、知人だった幹部に「経理を担当してほしい」と声を掛けられ、
全精社協に就職。当時の事務局長からこの幹部名義の通帳を預けられた。残高が約3千万円あり、
「これは何か」と尋ねると、「裏金だ」と説明されたという。
全精社協には経理の帳簿もなく、「これではとてもできない」と断り、すぐに退職。
しかし、事務局長らから「協会の膿を出し切ってほしい」と懇願され、16年2月に再就職。事務局次長に就任した。
その後、この裏金は、国家資格の講師派遣委託事業にからみ、10年ごろから国の補助金の中から
余った金をプールしたことが判明。13年ごろ全精社協幹部の名義で口座がつくられ、その後、
別の幹部が口座の管理を引き継いでいたという。
元職員は口座を管理するとともに、その後も裏金づくりに積極的に関与。一部を私的流用したとみられる。
元職員は「流用は事実。裏金は調査研究費や交通費を水増し請求して捻出(ねんしゅつ)した。
協会の基本財産が不足しており仕方がなかった」と釈明している。
産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090922/crm0909220130002-c.htm