認知症改善に光 発芽玄米食べて脳トレ・体操 2009年08月13日 09:30
認知症の高齢者が発芽玄米を食べて脳トレーニングと体操に取り組むと、症状が改善される可能性が
あるとする調査結果を、富山短大食物栄養学科の田淵英一教授(顔写真、脳機能解析学)がまとめた。
食物繊維やカルシウムなど栄養豊富な発芽玄米を食べることで脳にエネルギー源となる糖分が行き渡り、
「脳トレ」と体操との相乗効果で脳が活性化されるとみている。
調査は、平成19年11月に富山市内のグループホームで始め、現在も続けている。認知症の80代女性
11人に、1年9カ月にわたって発芽玄米を20%混ぜた白米を毎日3食食べてもらい、足し算や掛け算、
塗り絵などの脳トレと、ストレッチなどの体操に週5回取り組んでもらった。2カ月に1回、30点満点の
記憶力テストを行い、その日の曜日や日付を尋ねたり、例示した言葉を暗唱してもらった。
調査開始前に実施した記憶力テストと比べ、開始6カ月で11人の平均点は3点アップし21点になった。
点数が上がったのは11人中7人で、16点から27点にアップした人もいた。点数が上がった高齢者は、
現在も同程度の点数を維持している。
ソース
北日本新聞社 富山のニュース
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20090813/24847.html >>2以降に続きます
>>1の続き
発芽玄米は、食物繊維が白米の10倍、カルシウムとビタミンが2倍以上含まれている。田淵教授は
▽発芽玄米を食べたことで、脳神経細胞のエネルギーとなるグルコース(ブドウ糖)が血液を通して脳に
行き渡った
▽脳トレによって脳神経細胞の働きが活発化され、情報の伝達量が増えた
▽体操をして脳の血流が良くなった−と分析。
「脳の活性化と栄養の摂取、運動は密接に結びついており、この三つに取り組めば効果が期待できる」と
説明する。
発芽玄米には、脳神経細胞を破壊し、認知症を引き起こす原因の一つとされる酵素「PEP」の働きを
抑える効果があることも、症状改善につながったとみている。
今後は発芽玄米と脳トレ、体操の効果をさらに証明するため調査対象を増やし、約100人の認知症患者に
同様の調査を行う。田淵教授は「福祉施設の食事に発芽玄米を普及させ、認知症の改善に役立てたい」と
話している。
脳トレーニングに取り組む高齢者=富山市内のグループホーム
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20090813/img/img4a82f2e57107f.jpg