環境省は12日、旧日本軍の毒ガス製造工場があった広島県竹原市・大久野島沖の海底で見つかった
筒状の不審物23個を引き揚げ、報道陣に公開した。
毒ガス兵器専門家の上野優さん(73)は「いずれも想定より小さく、毒ガス兵器の可能性は低い」との見方を示した。
沖合の船からダイバー2人が水深約20メートルの海底に潜り、直径約30メートルの範囲に散乱していた
不審物を約2時間かけてかごに回収。船で島に持ち帰った。斉藤鉄夫環境相も視察に訪れた。
不審物は直径約5センチ、長さ約20センチの金属製。形状などから旧陸軍の毒ガス(くしゃみ剤)兵器「あか筒」か、
発煙筒とみられていた。海中に投棄されて60年以上が経過、爆発や環境汚染の恐れはないという。環境省は今後、詳しく分析する。
1月に本土と大久野島を結ぶ海底送水管の敷設工事中に島の北約60メートルの海底で見つかり、
竹原市の小坂政司市長らが「事実上放置されている」と国に早急な撤去を要求。環境省は専門家検討会の提言を受け、
7月に引き揚げを決めていた。(共同)
[2009年8月12日14時6分]
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090812-530219.html