損害保険業界が来春、3メガグループに大再編され、覇権をかけて激突する“損保三国志”が
幕を開ける。業界のガリバーとして君臨してきた東京海上ホールディングスを抜き、経営統合する
三井住友海上グループホールディングスなど3社連合が業界トップに躍進。損害保険ジャパンと
日本興亜損害保険も統合で3位に付け後を追う。覇権をつかみ取るのはどこだ。
「悲願の東京海上超えを果たしたい三井住友海上が、渋る2社の親会社である
トヨタ自動車と日本生命を抱き込んで実現させた」
今年1月に発表された3社連合について、業界関係者はこう解説する。
3社のうち、業界4位のあいおい損害保険と6位のニッセイ同和損害保険にとって最大の懸案が、
2位で拡大志向の強い三井住友海上に飲み込まれてしまうことだった。
交渉は何度か暗礁に乗り上げたが、「子会社のあいおいを何とかしたいトヨタが
離脱を許さなかった」(関係者)という。あいおい幹部は「10年後、20年後に
会社を残す責任が経営者にはある」と、苦渋の決断をこう振り返る。
3社連合に背中を押されたのが、3月に統合を発表した3位の損保ジャパンと5位の日本興亜だ。
両社はいずれも米系投資ファンドのサウスイースタン・アセットマネジメントが筆頭株主という間柄。
統合は既定路線にもみえるが、損保ジャパンは業績悪化で株価が低迷し、統合比率で
不利になるため、「しばらく時間をおく」との見方もあった。
だが、「首位奪回を目指す東京海上がサウスを通じ日本興亜に接近しているとのうわさが
飛び交う中、事を急ぎ、日本興亜に猛烈に働きかけた」(関係者)という。
持ち株会社の最高経営責任者を2人置き、その傘下で現在の社名のまま2社が存続する
統合形態には、日本興亜の2倍の規模を持つ損保ジャパン側の譲歩がはっきりと表れている。
(後略)
*+*+ 産経ニュース 2009/03/29[19:39] +*+*
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090329/fnc0903291801001-n1.htm