東京女子医大病院(東京都新宿区)で平成13年、心臓手術中に人工心肺装置の操作を誤り、小学6年の
平柳明香さん=当時(12)=を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元同病院医師、佐藤一樹被
告(45)の控訴審判決公判が27日、東京高裁で開かれた。中山隆夫裁判長は、無罪とした1審・東京地裁を
支持、検察側の控訴を棄却した。
17年11月の1審判決は、人工心肺装置のフィルターの目詰まりから血液の循環が悪化、女児が重い脳障害
となり、死亡したと認めた上で「危険性を予見できなかった」と判断。被告の過失を否定した。
フィルターの目詰まりをめぐり、控訴審で検察側は「装置を適切に操作しないことが患者の死亡につながることは
予見できた」として、1審の事実誤認を主張。「十分な配慮をして操作していれば事故を避けられた」と、1審判決
の破棄を求めた。
弁護側は「当時の医学水準として、フィルターが水滴などで詰まる可能性を予見できなかった」と改めて無罪を
主張した。
佐藤被告は13年3月、人工心肺装置を不適切に操作し、脳障害で死亡させたとして14年6月に逮捕され、
翌月、起訴された。
2009.3.27 15:03 MSN産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090327/trl0903271507009-n1.htm