■麻薬を禁止する政策は失敗に終わった。合法化こそ「最もまし」な解決策である。
今からちょうど100年前、各国の外交官が中国の上海に集まり、麻薬取引の禁止を目指す
初の国際的な取り組みを開始した。1909年2月26日、彼らは国際アヘン委員会の設置で合意した。
英国がアヘンを売る利権を巡って中国と戦争をした、ほんの数十年後のことである。
国際アヘン委員会の発足以降、精神状態を変容させる薬物が数多く禁止された。1998年には国連総会の
宣言により、加盟国が「麻薬のない世界」の実現と、2008年までにアヘン、コカインおよび大麻生産の
「根絶、または大幅な削減」を目指すことを確認した。
これはまさに、政治家が好む種の約束事だ。というのも、こうした約束は1世紀に及ぶ麻薬の禁止政策に伴う
道徳的な動揺を静めてくれる。目的は、10代の子供を持つ世界中の親を安心させることだ。
しかし、これは極めて無責任な約束だ。決して果たせない約束なのだから。
近く、各国の大臣がオーストリアのウィーンに集まり、今後10年間を見据えた国際的な
麻薬対策のあり方を定める。第1次世界大戦の司令官たちがそうだったように、
多くの国は、これまでの対策を強化すればいいと主張するだろう。
しかし、これまでの麻薬との戦いは大失敗だった。発展途上国において破滅国家を生む一方で、
先進国では麻薬の依存症が広がるばかりだった。どんなまともな基準で見ても、この100年間の苦闘は、
ただ自由と人命を奪うだけの、無意味な苦闘だった。
だからこそ本誌(英エコノミスト)は、「最もましな」対策は麻薬の合法化だと主張し続けているのである。
「最もましな」というのは、「良い」を意味するわけではない。合法化は、麻薬の生産国には
間違いなくためになるとはいえ、消費国には(従来と異なる)リスクをもたらす。以下で概説するように、
弱い立場にいる多くの麻薬使用者は苦しむことになるだろう。ただし、
それがプラスに働く人の方が多いというのが本誌の見解だ。
(長文のため、以下割愛。記事元を確認してください)
記事元:麻薬戦争を終わらせる方法(JBpress(日本ビジネスプレス))
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/691 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/691?page=2 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/691?page=3 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/691?page=4