輸入したミニマム・アクセス(MA)米を農林水産省が容器から出して点検する新制度を導入したところ、
MA米からカビの発見が相次ぎ、約2カ月で57件に上っていることが24日、分かった。
昨年、農水省が国内業者に売却したMA米からカビ毒が検出されたことから、安全対策として導入された新制度。
点検の効果が示される一方、有識者からは「以前はカビ米を売っていたということか」と怒りの声も上がっている。
MA米の点検は昨年12月上旬まで、半透明の容器に入れたまま担当官の目視で行われ、カビの発見例は平成17年度12件、
18年度34件、19年度41件あった。
しかし昨年10月、業者に販売後のMA米からカビの塊が発見され、発がん性のあるカビ毒アフラトキシンB1が検出。
農水省は12月8日から、すべてのMA米を売却前に容器から出して点検するようにした。
その結果、今年1月末までの約2カ月間だけで、19年度の41件を上回る57件のカビ混入が発覚した。農水省によると、
カビは5ミリ〜20センチで、タイ産と米国産でよく発見され、検疫などで気づかれずに国内に持ち込まれた可能性が高い。
混入が発見されたMA米は容器単位で廃棄されるが、以前はカビ混入米が気づかれずに売られていた可能性がある。
農水省は「たとえ販売されていても、業者が選別機でカビを除去するか農水省に返品し、消費者の口には入っていないだろう」
としている。
しかし、農水省改革を検討する第三者委員会「有識者会議」の佐野真理子委員は、「私たちの口にも入っていたかもしれない」
と指摘。「農水省が食の安全に対して、いかにいいかげんだったかが分かる」と批判している。
■ミニマム・アクセス(MA)米 日本が国際社会にコメ輸入を約束した平成5年のウルグアイ・ラウンド農業合意に基づき、
最低限輸入が決まっている海外産米。現在は年間77万トン。
国産より低価格な一方で、基準値を超える農薬やカビで汚染された事故米が多く発見されるなど、問題点もある。
2009.2.25 01:30 msn産経
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090225/sty0902250131000-n1.htm