福祉分野への就職希望者を対象にした「福祉職場説明会」が1日、富山市安住
町のサンシップとやまで開かれた。製造業などで厳しい雇用情勢が続くことか
ら、慢性的な人手不足に悩む福祉や介護の現場では人材確保の好機ととらえて
いる。ただ、製造業などからの職種の転換が進まず、この日の説明会も参加者
は例年並みにとどまった。
説明会は、県社会福祉協議会などが主催し、社会福祉法人やNPO法人など8
4団体が参加した。今年度だけで3回目。昨年度まで2回だったが、人材確保
の機会を増やすため、1回追加した。
参加法人の採用見込み数計601人に対し、参加者数は155人(うち学生2
1人)にとどまり、同時期に実施した昨年度2回目の説明会参加者数161人
から微減。最近職を失った他業種の人たちの福祉分野への流入にはつながって
いない状況だ。
希望者に住居を用意し、資格の取得は就職後でも可とする法人もあるが、「給
与が安い」「激務」などのイメージもあり、敬遠されているようだ。ある社会
福祉法人の担当者は「人材確保のチャンスと思っていたが、一人も説明を聞き
に来なかった。期待が外れた」と話した。
一方、福祉分野の大学に通う男子学生(21)は「ソーシャルワーカーを目指
しているが、賃金が低いなどの不安もあり、一般企業の就職活動も続けている」
と明かす。
ハローワーク富山の行沢隆信・統括職業指導官は「(製造業などから福祉分野
への)求職者の希望職種の転換が進んでいない。未経験者でも採用される例が
増えており、意欲のある人は目を向けて欲しい」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20090201-OYT8T00789.htm