献血者数は近年、全国的に減少が続き、特に冬場は落ち込む。
そんな中、東京・千代田区のJR秋葉原駅近くにある「アキバ献血ルーム」が
盛況だ。開所以来の3年間で、献血者数を1・5倍に伸ばす勢い。アキバの街
に足しげく通う男性たちが熱心な「リピーター」となり、血液の需要を支えて
いる。
秋葉原電気街の中心部に立つオフィスビルの1階。木目調のテーブルと約30
席のいすが並ぶ待合室は週末、献血を待つ人で満席になる。本棚はアキバらし
く漫画本約800冊でぎっしり。これほどの数になるのは、献血者自身が寄贈
してくれるからという。
先月下旬、土曜日。漫画を開いて順番を待っていた千葉県船橋市の新聞販売店
長、佐藤智一さん(29)は「ゲームを買うついでによく寄るんです」と笑顔。
献血歴16回のうち13回がアキバルームでの献血だった。
同ルームが開所したのは2005年6月。「すべてはあれから始まった」と東
京都赤十字血液センターの矢沢幸雄広報係長(50)は振り返る。06年3月
の1か月間、ルームの宣伝のため、近くのフットケアサロンの女性に来てもら
い、献血者にメイド姿で手のマッサージをするサービスを行ったのだ。
日本赤十字社本社には「品位がない」と不評の声もあったが、反響は大きく、
ネットで知った男性たちが有志を募り、約60人がいっぺんにやってきたこと
も。メイドのサービスはその時だけだったが、今も「メイドさんは?」と訪ね
て来る人がいるという。
他の献血ルームでも手相やタロット占い、メンタルセラピーなどの無料イベン
トを行い、献血者を募っているが、アキバでは月1回、手相占いをするだけ。
それでも、05年度に約2万2100人だった献血者は、06年度約3万人、
07年度約3万4600人と増加。最近ではますます勢いがつき、昨年夏には
採血ベッドと問診室を増設したほどだ。
特徴は男性の比率の高さ。日赤によると、都内の献血者の男女比は6対4ほど
で推移しているが、アキバだけは男性が85%に跳ね上がる。200と400
ミリ・リットルのうち、400を選ぶ人が91%(07年)を占め、都内平均
を8ポイントも上回っている。買い物や旅行のついでに立ち寄る人が多く、献
血者の住所は北海道から沖縄まで。全国でも著名な血液センターになった。
2か月に1度、買い物に来る度に立ち寄るという群馬県太田市の男性会社員土
岐操さん(35)は「人とかかわるのは苦手だけど、献血なら深くかかわらな
くても社会貢献できるから」。週末ごとに開かれる声優やアイドルらの無料ラ
イブを見に来る東京都江戸川区の男性会社員(29)は「午前と午後のイベン
トの合間は暇なので、休みがてら献血する。寝ているだけで良いことをした気
分になれる」と話した。(矢吹美貴)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090203-OYT1T00522.htm 関連スレ
【話題】麻生首相「高そうなスーツ」 1着30万円オーダーメイド
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1233321459/