1月28日2時34分配信 毎日新聞
三重県は、医療・看護系の大学や専門学校で学ぶ外国人に年間授業料相当額の
奨学金を給付する方針を固めた。09年度当初予算案に300万円を計上し、
県議会に提案する。同県など在住外国人の多い自治体では、通訳不足から
各医療機関で外国人患者への対応が問題となっており、外国語の医療用語を
話せる看護師などを育てるのが目的。県によると、全国初の奨学金制度とみられる。
県によると、現在は対象者が不在で、新制度により進学希望者が増えることを期待している。
上限は年間60万円。奨学金を受け終わった後に県内の医療機関で一定期間勤務することや、
母国語が話せることが条件で、面接などの審査で判断する。ポルトガル語やスペイン語、
英語など7カ国語を認め、09年度から募集する。
県国際室は、外国人患者との間でコミュニケーションが取れない医療機関に
通訳ボランティアを派遣しており、08年度は27日までに24回派遣した。
同室は「医療機関に通訳できる人間は必要だ。奨学金を利用してしっかりした
キャリアを身につけてほしい」と話している。同県の在住外国人の割合は
07年末で2.7%。全都道府県で3番目に高い。
日本看護協会(東京都)の小川忍常任理事は「聞いたことがない取り組みだ。
看護師などになる意欲を持つ外国人を支援するのは良いことだし、医療機関との
通訳としても育てる意義がある」と話している。【山口知】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090128-00000014-mai-soci