県警捜査2課は去年1年間の振り込め詐欺事件の被害認知、摘発状況をまとめた。認知件数は前年比で51%・47件増の
139件に上り、被害総額は同じく約4000万円多い1億6000万円となった。警察庁はことし1月を「被害防止」の広報重点
月間と位置付け、県警も「うそだべ」の語呂合わせで被害に遭わないための4カ条を設定。ポスターやチラシを作り、
県民に注意喚起している。
08年の認知件数の内訳は、融資保証金詐欺が最多で62件(被害額6470万円)。架空請求詐欺の46件(同4700万円)、
還付金等詐欺の17件(同 1980万円)、オレオレ詐欺の14件(同2840万円)。全国一斉の予防活動強化推進期間が設け
られた去年10月以降、1カ月当たり2けた台で推移していた県内の被害認知は1けた台に鈍化したものの、年間の認知件数と
被害総額はともに前年を大幅に上回った。
県警は去年、首都圏派遣捜査と手口分析の両輪で事件摘発に当たる広域知能犯検挙対策室を新設。他県警との合同
捜査なども推進した結果、検挙件数は46件に上り、前年と比べて42件の大幅増。振り込め詐欺で悪用される通帳や携帯
電話詐欺などを含めると、検挙総数は90件となった。
一方、現金が犯人グループに渡る前に私書箱を突き止めるなどした一部ケースを除き、被害者が振り込んだ現金が
すでに引き出されるなどしてほとんどが被害回復されていなかったという。こうした背景などから、県警生活安全企画課は
被害抑止を目的に、被害抑止の合言葉「うそだべ」の4カ条をつくり、一層の広報活動を推進している。
「う」は「うまい話にすぐのらない」、「そ」は「送金しない」、「だ」は「だれかに相談する」。そして「べ」は
「ベストな対応は、本人に再確認」。普段、使っている山形弁の「うそだべ」に引っかけ、不審な電話、ダイレクト
メールがあった際、「うそだべ」をイメージしやすいと考えた。
4カ条を記載したチラシは山形市で先ごろ、行われた「110番の日」のイベント会場で配布。今後もさまざまな会合、
イベントで広報していくという。同課は「これから確定申告の時期を迎え、国会審議中の定額給付金などを悪用する
ケースも予想される。うそだべ、と思う気持ちを持って」と話している。
山形新聞
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