佐倉市で市議から職員に対しての脅迫や口利きなどによる「働きかけ」が、02年から08年までの
間に約30件あったことが、朝日新聞が同市に情報公開して出てきた資料で分かった。
中には入札の指名業者を教えるよう迫ったり、自分の要求が通らないと「お前を一般質問の
答弁に立たせてやる」と脅したりしたとされるものもあった。
同市では職員が「働きかけ」と感じた場合に報告書に残す制度を作っている。報告書は02年度分から
作られており、請求により29件が公開された。
報告書では働きかけを(1)恫喝(どう・かつ)・威嚇・威圧・脅迫(2)強要(3)要求(4)要請(5)依頼
(6)提言(7)その他の七つに分類。そのうえで具体的なやりとりを書き込んでいる。一部重複も含め
(1)と分類しているケースが8件、(2)が7件、(3)が5件、(4)が3件、(5)が1件、(6)が4件、
(7)が5件だった。
内容で目立ったのは入札がらみ。入札の参加業者の条件について「市内業者は入れずに、
県内900点以上でやれ」「Aランクだけでなく、Bランクの業者を入れるべきだ」と迫る様子や、
特定業者の名前を出して「よろしく」「どうしてもはずせ」という要求が記録されている。
結果が気に入らなかった際に「おれに恥をかかせたな。この工事が出来ないようにメチャメチャに
してやる」と話したと書かれている。
報告書では市議の名前は伏せられている。しかし、朝日新聞社の調べで、「働きかけ」を
したとされているのは、ほとんどが1人の男性市議=無所属3期=であることが判明した。
この市議は、「昔のことで覚えていないこともある」としたうえで、「ざっくばらんな性格で
きついことを言うこともあるかもしれん。細かいやりとりまでいちいち覚えていない」と説明。
「恫喝したとは思っていないし、自分はそれで利益を得たことはない」と話す。「あることを
全部書くならまだしも、職員側が自分の都合の悪いことは書かず、ことさらにこちらが悪いと
強調している」と報告書に問題があると指摘する。
一方、別の市議が、市が導入するごみ袋について「特定の業者が開発した商品で、独占的な
立場を得られる。ダイオキシン抑制効果を持ったものはほかにもある」として、別メーカーの
カタログを市職員に渡す「提言」もあった。この「提言」をしたこの市議は「効果が確認できない物を
明らかに高い値段で1社独占で買っていた。それはいかんと思った」という。
これらはあくまでも文書にされている分だけ。同市関係者は「仕返しが怖くてなかなか報告書は
出せない。出ているのは相当追いつめられたケースだけ。実際はもっとある」としている。
▼ソース:朝日新聞
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000901180001