旧国鉄マン時代に機関車エンジン製造・整備を手掛けていた新城市富岡、牧野春男さん(81)が、
全国でも珍しい竹細工の蒸気機関車(SL)二十両を作り、一月末まで同所の富岡ふるさと会館に
展示している。専門家をもうならせる精巧な出来栄えで、一堂に展示するのは今回が初めて。
(阿部雅之)
スケールは二十分の一。日本で初めて鉄道が開通した新橋−横浜間を走った車両や、
おなじみの「D51」もある。国鉄最後のSLとして設計されたが電化やディーゼル化が進み
実現しなかった「C63」は設計図だけを頼りに仕上げた。「保守点検が難しい」と廃止された
珍しい流線形タイプも。
専門はシリンダー関係だった牧野さん。本物を作る「機械屋」だけに、竹細工も手を抜かず
実物そっくり。どんな小さな部品もナイフを自在に操り、竹だけで作る。自宅は「市まちなか博物館」の
一つに指定されている。作品を買いたいとの申し出は「半年から一年かけた作品。
値段にかかわらず売れません」と断ってきた。
定年後に虫かごを手始めに竹細工にのめり込み、高さ一メートルの名古屋城を市に寄贈したことも。
現在はSLに集中し、鉄道ファンの人気を集める。完成度の高さに、竹細工職人が「とてもまねできない」と
感嘆の声を漏らしたという。
地域住民による正月作品展が今年も同館であったが「多くの人に見てもらうべきだ」と周囲に勧められ、
牧野さんの展示だけを終了後も続けている。
「八十を超え、いつまで続くことか。広い会場で気兼ねなく見て」と牧野さん。作品はいずれ市か
鉄道関係の博物館に寄贈する。
同館は月・木曜休み。問い合わせは牧野さん=(電番省略ソースをご確認下さい)へ。
▼ソース:中日新聞(画像なし)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20090118/CK2009011802000044.html?ref=rank