アフリカ・ソマリア沖での海賊対策で、政府が海上自衛隊のP3C哨戒機の派遣を
検討していることが13日、分かった。ソマリア沖で対海賊作戦を展開中の欧州連合(EU)部隊が
拠点を置くジブチに派遣、空から海賊船の動向を監視することを想定している。
海上警備行動での護衛艦派遣では外国船舶を警護できないなどの制約があり、
P3Cの監視情報を各国にも提供することで国際協調を果たす狙いがある。
政府は同日の「与党海賊対策等に関するプロジェクトチーム」で、海警行動による護衛艦の
護送対象に日本の貨物を積んだ外国籍船を含める考えを表明した。ソマリア沖で
日本関係船舶が輸送する日本の貨物は輸出入全体の6割にすぎないため、残り4割を運ぶ
純粋な外国籍船にも警護対象を拡大し、海賊対策でより踏み込んだ措置を取る姿勢を鮮明にした。
派遣されるP3Cは陸上の基地を使用するための地位協定の締結が受け入れ国との間に必要となる。
このため、早期派遣は困難との見方があった。
だが同日までに、EU部隊加盟のフランスなどが日本政府関係者に対し、EU部隊が締結している
ジブチとの地位協定に日本を加えることで締結交渉を早期に完了できるとの見通しを伝達。
P3C要員の訓練などの準備が整えば、早期派遣が可能な情勢となった。
政府は海警行動の発令で3月にも護衛艦をソマリア沖に派遣する方針。だが、海警行動では
日本と無関係の外国船舶を護衛できないため「国際協力に結びつかない」(防衛省幹部)との
慎重論も根強い。派遣されるP3Cは日本の護衛艦に海賊船の展開情報などを提供することが
任務となるが、得られた情報を海賊対策にあたる他国の艦船などに提供しても法律違反とはならない。
EU部隊と協調して活動を行う場合、海自護衛艦もEU部隊の情報を共有でき、日本単独での
活動に比べP3Cの派遣機数を抑えられるメリットもある。
EU部隊は海賊の襲撃を受けた船舶を国籍を問わず警護するなど、ソマリア沖の海賊対策で
中心的な役割を果たしている。各国艦船との連携も模索しており、海自護衛艦についても
EU艦隊の指揮下に入るよう打診している。ただ、海警行動での海自艦艇派遣ではEU艦隊並みの
任務を行うのは困難で、政府はP3Cの派遣で国際貢献が果たせるか見極める方針だ。
地位協定 海外派遣された自衛隊員が現地で事件を起こした際の刑事裁判権免除や関税の
減免措置など法的身分を規定する。陸上に長期滞在しない海上自衛隊艦船などの派遣では
結ぶ必要はない。国連平和維持活動(PKO)に参加する場合は、国連と受け入れ国が結ぶ
地位協定を適用する。条約の一種だが、法改正や予算措置を伴わないため、国会承認は必要ない。
▼ソース:産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090114/plc0901140114003-n1.htm ▼関連スレ
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