東京都や京都府など医師が比較的多い地域も、現状のままなら2025年には不足状態が
進む可能性のあることが、日本政策投資銀行の試算でわかった。患者千人当たりの医師数で
みると2割以上減る地域も出るとしている。高齢化が進んで病気の人が増えるとみられるためだ。
国立社会保障・人口問題研究所の人口予測と高齢化率をもとに47都道府県の患者数を
推計した。政府は医師不足を認めて09年度に大学医学部の定員を増やすが、同行は「将来の
見通しが明確でない」として、医師数が05年のまま変わらないと仮定して試算した。
それによると、患者千人当たりの医師数は、全国では05年の30人から25年には26人に減る。
著しい人口減少で患者が減る秋田など3県を除く44都道府県で減少する。
05年に41人と最も多かった東京都は33人に減る。東京に次ぐ京都府は40人から36人、
福岡県は39人から34人に。大阪府は36人から31人、愛知県は29人から23人に減る。
05年に21人で最も少なかった埼玉県は17人と深刻化する。
減り方が激しいのは神奈川県。05年は27人だったが、25年は22%減の21人。沖縄県(21%)、
埼玉県、千葉県、東京都(各20%)、愛知県(18%)が続くなど、人口の多い都市部が並ぶ。
沖縄県は出生率が全国最高で、人口増に伴う患者の増加が見込まれることが影響した。
藤木敬行調査役は「高齢化で患者が増えれば医師確保が深刻な課題になりかねない」として、
各地の住民の年齢構成を考慮した医療政策の必要性を指摘している。(野瀬輝彦)
▼ソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY200901110172.html ※画像:医師数の将来予想(表)
http://www.asahi.com/national/update/0112/images/TKY200901110174.jpg