社会福祉法人いわて育心会(大沢勝尚理事長)が岩手町子抱で運営する障害者作業所
「働く我らの家」は、同町の農業者組織・いきいき農場が出荷する寒締めホウレンソウの袋詰め
作業を行っている。主力の電子部品作業は景気悪化の影響で企業からの受注が減少しているだけに、
野菜の作業が新たな糧となっている。熱心で丁寧な仕事ぶりは生産者や販売店から評価が高い。
ほぼ毎朝、かごに入ったホウレンソウがトラックで運び込まれる。多い日は約千束。10人ほどが
計量し専用のビニール袋に詰める。
2006年にほかの施設から引き継ぐ形で小松菜とチンゲンサイの袋詰めを受注したのをきっかけに、
07年からはジャガイモ、今冬からホウレンソウも加わった。ホウレンソウは2月上旬まで作業が続く。
EM(有用微生物群)関連など自主製品や印刷業務にも力を入れるが、受注作業では町内の
誘致企業からの電子部品の外観選別で実績を残してきた。武田秀樹事務局長は「作業がなければ
施設に来る意味がなくなってしまう。経済状況に左右されにくい野菜作業が確保されることで、
利用者の仕事の幅が広がり助かる」と話す。
障害の程度によっては座りっぱなしの電子部品の作業で体調を崩す人もいたが野菜の作業は
体を動かしながらできる。武田事務局長は適性によって仕事が選択できる効用を説く。
県内スーパーに出荷するいきいき農場にとっても人数を確保しなければできない作業が確実に
行えるメリットは大きい。三浦正美代表(53)は「丁寧な作業をしてくれる。取引先からも喜ばれている」と
全幅の信頼を寄せる。
▼ソース:岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090107_10