平均潮位上昇・河川水量急変/総事局まとめ
集中豪雨の回数は十年前より倍増、平均潮位は三十年間で五センチ上昇、河川水量は急激に変化―。
地球温暖化の影響とみられる気象や自然環境の変動が県内でも顕在化していることが、総合事務局
北部ダム事務所の資料で裏付けられた。同事務所では資料を基に、環境や防災の有識者と意見交換し、
今後のダムや河川事業に反映させていく方針だ。資料は、気象庁や国土交通省の数十年分のデータを
同事務所がまとめた。
県内で一時間に三〇ミリ以上の強い雨が降った回数は、一九九八―二〇〇七年の十年間の年平均で
五二・一回となり、一九八八年から十年間の二六・九回を大きく上回った。
五〇ミリ以上の激しい雨は直近十年の年平均で一〇・六回で、九七年以前の年平均四・五回の
二倍超となっている。特に二〇〇六年は十六回、〇七年は二十二回と集中豪雨の急増が目立つ。
年間降水量は微減傾向だが、近年は二、三年ごとに少雨と多雨を繰り返し、那覇の〇四年は
一五〇〇ミリ弱、〇七年は二八〇〇ミリなど、変動幅が大きくなっている。
降雨の不安定化で、河川水量も急変する傾向が出てきた。本島北部の源河川や比地川の
八―十年間の比較では、平均流量の二倍を超える日数が大幅に増える一方、流量が少ない日も増加。
短期間で河川周辺の景観が一変しやすい状況だ。
五年ごとの平均値でみた那覇港の潮位は、三十年間で満潮時は五センチ、干潮時は三センチ上昇した。
〇一年、〇三年夏には暖水の渦による異常潮位で、本島沿岸各地で道路冠水や床下浸水の被害があった。
また、那覇の平均気温が百年間で一度強上昇したことや、台風の大型化も報告されている。
同事務所は治水、水資源確保に加え、温暖化による水環境の変化が新たな課題と指摘。昨年末、
専門家十一人に呼び掛け「気候変化を踏まえた将来の沖縄の水問題を考える懇談会」を設置した。
年度内の会合を経て、温暖化に対応した事業の基本方針を決める。
▼ソース:沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-04-M_1-027-1_001.html