★たんぱく質に水素の特殊な結合=新薬開発へ応用期待−奈良先端大など
水素原子が酸素や窒素の原子と非常に高いエネルギーで結び付く「低障壁水素結合」が
たんぱく質にも存在することを、奈良先端科学技術大学院大と日本原子力研究開発機構の
研究チームが30日までに確認した。低障壁水素結合を生み出し、酵素反応を活発にする
新たな仕組みの医薬品開発につながると期待される。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
低障壁水素結合は、水素原子と酸素や窒素の原子との間が2.6オングストローム(1オングストロームは
100億分の1メートル)以下に接近し、エネルギー障壁が低くなった際に起きやすい。高圧など特殊な
条件下にある有機低分子で起こることが知られ、たんぱく質では消化酵素の反応に関与しているとの
説があったが、存在が直接確認されていなかった。
奈良先端科学技術大学院大の片岡幹雄教授らは、細菌で光センサーの役割を果たすたんぱく質に
ついて、X線と中性子で結晶構造解析を行い、低障壁水素結合が存在することを突き止めた。(2008/12/30-07:29)
▼ソース:時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008123000065