★南高梅が調査項目から外れる 農林水産省の統計
農林水産省が人件費削減のため統計担当職員を半減させている影響を受けて、農産物の統計で県特産の
「南高梅」が調査項目から削減されていることが分かった。2007年産から調査項目の品種が「梅」だけになり、
市町村別の集計もなくなっている。南高梅の収穫量が全国一のみなべ町は「全国一のまちとしてPRしてきたのに、
公式なデータがなくなるのは痛い」と残念がっている。
近畿農政局和歌山農政事務所によると、農水省は2006年度から10年度の5年間に、約4000人いた全国の
統計担当職員を約2000人に減らす方針。それに伴い、統計の調査項目を減らすことになった。
梅については、06年産までは県の主力品種である南高梅の収穫量や作付面積のデータがあるが、07年産以降は
「梅」だけになり、市町村別のデータもなくなっている。09年3月に発行する07〜08年分の農林統計年報から品種別や
市町村別のデータが削減される。
06年の農林水産統計によると、みなべ町の南高梅の収穫量は2万6800トンで全国1位。同町うめ課の林秀行課長は
「これまで日本一の梅のまちとして説明してきたが、その物差しがなくなる。県外の生産地に収穫量が
追いつかれることはないと思うが、公式なデータがないと信用性に欠ける。これからどう説明していけばいいのか」と
落胆している。
田辺市は06年の収穫量が1万8900トンで全国2位。同市梅振興室の愛須誠室長は「公的な機関に報告する時に統計の
数字を使っているので少し困るが、地元の市町村や農協も独自で調査している」と話す。
県果樹園芸課は「農林水産統計のデータを産地のPRに使っていただけに残念。収穫量の伸び率など、これまでの
データが生かせなくなる。県独自の調査は今後も続けていく」と話している。
全国の梅収穫量は毎年12万トン前後で推移しており、このうち和歌山県産は6割を占める。06年の全国の南高梅収穫量は
6万7700トンで、このうち和歌山県が87%(5万9200トン)を占めている。
■ソース:紀伊民報
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=158861 ※画像:かわいい梅の実
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/newsphoto/1588611.jpg