岡谷市は15日、市病院事業が運営する健康保険岡谷塩嶺病院の結核病床(60床)を、来年3月末で廃止すると
市議会全員協議会などに報告した。同病院は国の結核療養所として1953(昭和28)年に開設。市は患者数の
減少で経営が厳しく、県から国立病院機構まつもと医療センター中信松本病院(松本市)への集約化を打診された
ことを理由に挙げた。
県内で結核病床があるのは塩嶺病院、中信松本病院(50床)、須坂市の県立須坂病院(24床)の3病院。
市によると、塩嶺病院の結核病床廃止は7月、県と3病院の会合が開かれたのを機に検討が進んだ。市側はこの
日の全協で「中信松本病院から本年度中の施設改修の希望が出ており、県からこの機会に集約化を図りたいと提案が
あった」と説明。県の第5次保健医療計画(2008−12年度)は結核病床の基準を県内で87床としており、
3病院の総病床数が134床と上回っている点も背景にあるとした。
塩嶺病院の結核病床の入院患者数は今年4−10月の平均で11・6人。全国的な傾向と同様に減少している。
市側は全協で「結核医療は政策医療として国、県が担うべきものだ」とも強調した。
一方、廃止により県内の結核病床数は保健医療計画の87床を下回る。県健康づくり支援課は「どのような影響が
出るか調べていかなくてはいけない」としている。
信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20081216/KT081215ATI090013000022.htm