通報から救急車の現場到着までの時間が2007年の全国平均で前年より0・4分長い7・0分、到着から患
者を搬送し医療機関に収容するまでの時間は1分延びて26・4分となり、ともにワースト記録を更新したと
する08年版消防白書が16日、閣議で了承された。
現場到着から収容までの時間は10年間で6・5分も延びた計算。要因について総務省消防庁は、07年8月
に奈良県の妊婦が医療機関に10回以上、収容を断られ死産したことに象徴される病院の受け入れ拒否が影響
したなどと分析している。
消防庁は、救急医療は医師不足など厳しい状況で対策を急ぐ必要があるとし、搬送の際に空きベッド状況など
を把握できる「救急医療情報システム」に医療機関が積極的に協力することを求めている。
消防庁は現場到着が遅れる背景について、高齢化などで全国の救急車出動件数が約529万件と10年間で
52%も増加していると指摘。「通報から収容までの時間が延びて救急車が足りなくなり、現場から離れた
消防署から出動している」と、悪循環が起きているとした。
消防庁は出動件数を減らすため、緊急性が低いのに救急車を呼んだり、タクシーの代わりに使わないよう
呼び掛けている。
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