国の天然記念物に指定されている青森県下北半島のニホンザル「北限の猿」の被害対策で、文化庁は
12日、むつ市、大間町、佐井村、風間浦村が申請した農作物被害を与えるサルなど計270匹の個体数
調整(捕獲)に伴う文化財保護法上の天然記念物現状変更を許可し、捕獲を認めた。
同日の文化審議会文化財分科会に申請を諮問、許可の答申を受けた。
鳥獣保護法に基づく捕獲申請は県が11月に許可済みで、4市町村は今月下旬に行われる半島全域の
生息調査後、年明けから捕獲作業に着手する。
許可されたのは、県の第二次特定鳥獣保護管理計画(2008―11年度)で新たに対象となった
農作物被害を与える群れの245匹と、従来から対象となっている人的被害などを及ぼす「加害個体」
25匹の計270匹。
4市町村などでつくる被害対策連絡会議事務局の山崎秀春むつ市鳥獣対策専門官は「被害を長年訴えて
きた地域住民の声がようやく理解してもらえた。捕獲と並行して電気柵やモンキードッグによる被害
対策を進め、人間とサルの共生を図りたい」と話した。
下北のサルは44群1600匹以上に増加し、生息域拡大に伴う農作物被害が深刻化している。
河北新報社
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/12/20081213t21022.htm