地上45メートル、東京都心のビルの屋上で、絶滅危惧(きぐ)種に指定された
メダカが大量に繁殖している。5年前に放流した9匹が、今では数百匹まで増
えた。都会育ちで、天敵のサギなどがいないことなどが幸いしたようだ。
メダカの楽園があるのは、東京都港区の六本木ヒルズのビル群のほぼ中央、
映画館などが入る「けやき坂コンプレックス」の屋上だ。日本の原風景である
「農村の再現」をテーマに田んぼや樹木を植えた一画に、広さ約40平方メー
トル、深さ約20センチの池がある。雨水をポンプで循環しており、温度調整も
していない。
この池に、六本木ヒルズ開業から約2カ月後の03年夏、ヒルズ側がクロメダカ
7匹、シロメダカ2匹を、ドジョウ44匹、トウキョウダルマガエル16匹などととも
に放流した。すると、それぞれが徐々に数を増やしたという。
(中略)
メダカは、田んぼの激減と、用水路のコンクリート化で生息が難しくなったといわ
れている。環境庁(当時)は99年2月、絶滅危惧(きぐ)種に指定した。環境省野
生生物課は「現在も、依然として危険な状態にある」としている。
2008年12月9日14時32分
asahi.com
http://www.asahi.com/eco/TKY200812090067.html 画像(けやき坂コンプレックス屋上の庭園=2007年7月 東京・六本木ヒルズ、本社ヘリから)
http://www.asahi.com/eco/images/TKY200812090065.jpg