東京V“陥落”再びJ2へ…特効薬はラモス社長昇格 フロントを痛烈批判
東京Vがわずか1年で再びJ2に陥落した。8日には来季の陣容を検討する
緊急役員会が開かれる。名門復活の特効薬はあるのか−。注目は、ラモス瑠偉
常務(51)を「社長」に昇格させるウルトラCだ。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
J2降格が決まった6日、ラモス常務は「サッカーの素人が首を突っ込んではいけ
ない。サッカーの神様が許さないよ」と痛烈なフロント批判を展開。これを映していた
日本テレビの担当者に「いいか。日テレ。絶対、これを放送しろよ」とまくし立てた。
これは東京Vの親会社である日本テレビに向けた痛烈な“絶縁状”でもある。
同社から派遣されている東京V・萩原敏雄社長(72)は日本テレビの黄金期を
作った前社長。萩原社長は「私は素人だけど、育成型のクラブという言葉がある
のでしょ」とチームのJ2陥落が決まった途端、こう言って早々と試合会場を後に
した。その後、1000人近い東京Vのサポーターが7時間以上も試合会場に居座る
トラブルも起きたが、フロントトップの萩原社長は収拾に乗り出そうともしなかった。
日本テレビはお金も出すが口も出す。東京Vには萩原社長をはじめ、強化担当が
お目付け役として派遣されており、クラブの役員会も日テレ色に染まっている。
今季は20億円にも及ぶ強化費を捻出。そこまではよかったが、川崎から本人の
わがままで出戻ってきたFWフッキを5億円で購入しながら、FCポルトへの移籍に
あたっては3億円しか回収できなかった。結局、経営もチーム強化も失敗。さらに、
日本テレビからの強化費が来季は半分以下に縮小される。「それなら仕方ない」
とばかり、元日本代表MF福西を筆頭に、給料の高い順に立て続けに10人以上の
選手に解雇通告を行った。
ラモス常務は「オレと柱谷をフロントに入れるべき」と主張する。常務もフロントの
一員のはずだが、実際は肩書だけ。萩原社長以下の素人がフロントを仕切っていて
ラモス常務に発言権はないのが実情だ。柱谷哲二監督(44)も「補強してくれと
お願いしてもお金がないといわれた。だからクラブには(成績低迷を)覚悟してください
と言い続けた」と、クラブへの不満を口にし、ラモス常務との共闘を宣言する。
とはいえ、柱谷監督自身、今季が2度目の監督で、03年札幌では13試合2勝
で解任。札幌はそのままあっさりJ2に降格して今も低迷している。今年もラモス
常務から監督のバトンを受けたが、結局は外国人に頼りすぎる選手構成が
破綻をきたした。「ラモス社長」のウルトラCは、確かに名門再建のひとつの
選択肢なのだが、それをアシストする人材がいないのが痛いところ。解雇され
た主力選手は就職活動、残った選手たちには厳冬更改が待ち受けている。
▽ソース ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/spo/200812/s2008120817.html ※モバZAKで記者自ら確認