★低所得者の入居容易に 県営・市町営住宅、来年度から月収基準変更
景気後退で増加が予想される低所得者が公営住宅に入居しやすい環境をつくることなどを目的に、
県営住宅(約七千五百戸)と市町営住宅(約一万六千戸)の入居条件である収入基準(月収)が来年度から
四−五万円程度引き下げられる。入居対象者が絞り込まれることで応募倍率の低下が見込まれるという。
一方で収入基準引き下げに伴い家賃設定の基準も変わるため、現在入居している世帯の一部は家賃増額
となる。県は今月から入居者らにチラシなどを配布し、制度変更への理解を求めていく考えだ。
収入基準引き下げは公営住宅法施行令改正によるもので、見直しは十年ぶり。全国の公営住宅が対象で
一般世帯の場合、現行の二十万円以下から十五万八千円以下に改定。高齢者や障害者などの世帯は、
現行の二十六万八千円以下から二十一万四千円以下となる。
国の試算では入居応募者が一割程度少なくなり、低所得層ほど入居が容易になるという。二〇〇五年度の
公営住宅の応募倍率は全国平均で九・九倍となっており、倍率低下が期待されている。
県県土整備部によると、〇七年度の県営住宅の平均応募倍率は三・三倍と全国的には低い。
ただ〇七年四月現在の入居率は97・3%で、入居募集する空き戸数は年間二百戸程度と少ない。
低所得者の入居を増やすには、入居可能戸数をどう確保するかも課題となる。
一方、収入基準引き下げに伴い家賃算定の根拠となる収入区分も変わる。県営住宅に現在入居している
世帯の一部は負担増となるが、国の規定で来年度から五年間は段階的引き上げとなる緩和措置が
取られるため、急激な増額はないという。
また景気後退の中での負担増に配慮して、島根県が増額幅が大きい世帯については緩和措置を独自に
八年間とするなど、国の規定に上乗せした救済策を打ち出す自治体も出てきた。だが本県は
「考えていない」(県県土整備部)としており、上乗せには消極的だ。
■ソース:下野新聞
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20081207/83823