【ワシントン斉藤信宏】米政府と議会民主党が5日、経営危機に陥っている米自動車大手3社(ビッグ3)支援で合意したことで、今後は、週明けに始まる
救済策の採決に向けた民主、共和両党の調整が焦点となる。11月の非農業部門の就業者数が74年12月以来、約34年ぶりの大幅減となるなど雇用情勢が深刻化する中、
両党の間で、妥協が図られるとの観測が強まっている。
下院金融サービス委員会のフランク委員長(民主)は、同日の審議で「ビッグ3の破綻(はたん)は経済情勢の悪化を招く」と述べ、
支援が必要との考えを示した。
共和党の議員からは「もっと早くリストラに取り組むべきだったのではないか。
今や支援しても遅すぎる」(バレット議員)などと慎重な声が相次いだ。ただ、支援に反対だった
バッカス共和党筆頭理事が、支援を容認する姿勢を示すなど軟化しつつある。
ビッグ3支援については、財源をめぐり米政府と民主党が対立。ブッシュ政権は、環境対策の設備投資向け
融資250億ドルによる救済を主張した。これに対し民主党は環境融資の転用に反対、
金融安定化法で定められた総額7000億ドルの一部を使うように求めた。ただ、年内にも
ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが破綻する可能性が高まるなど事態が切迫する中、歩み寄りが必要な状況となっている。
同日の下院公聴会には、ビッグ3各社の首脳が出席。「低燃費車や環境対応車の開発に注力する」
(ワゴナーGM会長)などと表明し、改めて総額340億ドル(約3兆2000億円)の公的支援を求めた。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は同日、クライスラーが連邦破産法11条の申請
に備えて法律事務所と契約を結んだと報じた。クライスラーは数週間前から、自動車部品大手の再生手続き
などを手がけた法律事務所の助言を受けているという。
クライスラーについては、公聴会の中でも「ほかの2社とは立場が違う。大株主の投資ファンド、
サーベラス・キャピタルに支援を求めるべきだ」との声が出ている
yahooニュース
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