★「白い恋人」販売再開から1年、島田社長語る
北海道を代表する土産物として知られる石屋製菓(本社・札幌市)の
チョコレート菓子「白い恋人」。昨年8月に賞味期限改竄問題などが発覚し、
約3カ月間、製造を停止、創業家の社長らが辞任する事態となった。
販売を再開してから11月22日で1年を迎えるのに先立ち、
島田俊平社長(60)がインタビューに応じ、問題にからみ、昨年度、
約9億円の損失が出たことを明らかにした。
さらに、この1年にとった再発防止策について説明した。
http://www.sanspo.com/shakai/news/081121/sha0811212308028-n1.htm 昨年8月、旧北洋銀行常務取締役から「銘菓再建」を担って就任した島田社長。
問題が与えた影響について、「平成19年度の売上高は、前年に比べ、
約33億8800万円のマイナスになった。
商品の買い戻しなど、問題にからみ、約9億円の損失が出た」と明らかにした。
賞味期限の改竄が行われた背景については、「白い恋人は季節性のある商品で、
繁忙期に在庫を増やさなければならない。従来、在庫管理を経験と感だけで
やっていたため、作りすぎてしまった。そこに『もったいない』という意識が働き、
再販売してしまった」と説明。
その反省から、従来の経験とカンだけに頼る生産・在庫管理を、
過去の月別データなどに基づいた計算された方法に改めたという。
衛生管理に関しても「これも経験とカンに基づき、おおざっぱにやっていたのが原因」と分析、
対策として、衛生管理のマニュアル化を図った。
再発防止には大幅なコストをかけた。「約10億円の改善投資を行った」と説明。
その9割を衛生管理に当て、製造年月日と賞味期限を一つ一つの袋に入れる印字機械を導入、
内部監査室や品質管理部などを新たに設置したという。
近年、次々と明らかになる「食の安全」を脅かすさまざまな事案。対応を誤ると、
企業の存続にも関わる。自社の苦い経験を踏まえ、島田社長は「分かった段階で
すぐに公表することが大切。隠さないことが、迅速な対策を取る上でも重要だと思う」と述べた。(加納洋人)
■「白い恋人」賞味期限改竄問題
昨年8月、「白い恋人」の一部の賞味期限を1カ月延ばして販売していたことが発覚。
さらに、アイスクリームから大腸菌群が、バウムクーヘンから黄色ブドウ球菌が検出されながら、
隠蔽していたことが判明。同月、創業者一族の石水勲社長らが辞任した。
石屋製菓は昭和22年創業。従業員数332人。
サンスポ
http://www.sanspo.com/shakai/news/081121/sha0811212308028-n2.htm