★県内漁船拿捕される ミクロネシア近海、領海侵犯疑い2008年11月9日
伊良部鮪船主組合(那覇市)所属の漁船「大幸丸」(19トン)が4日、
ミクロネシア連邦付近の海上で同国当局に拿捕(だほ)されていたことが分かった。
同船に乗り込んでいた友井幸洋船長(60)=浦添市=ら計8人の乗組員は現在、
ヤップ島で拘束状態に置かれている。友井船長は8日夜、琉球新報の電話取材に対して、
同国から領海侵犯の容疑で罰金1億円の支払いを要求されていることを明らかにした。
友井船長は「GPS(衛星利用測位システム)の誤差で領海内に誤って進入した。
故意ではないのに法外な罰金はおかしい。今後どうなるか分からない」と心配そうな声で語った。
友井船長によると、大幸丸は約20年前からグアム島を漁業基地として操業しており、
ミクロネシアから200カイリの漁業制限水域内での漁業権を取得し、
マグロなどを捕って日本へ輸送している。
同船には友井船長以外にインドネシア国籍3人、フィリピン国籍4人が乗り込んでいる。
10月15日に漁を終え、グアムで水揚げを行った際、米沿岸警備隊から
「10月9日と11日にミクロネシアの領海を侵犯したおそれがある。同国側に通報した」と通告された。
水揚げ後の10月20日、再出航した際、漁業制限水域内を航行中にミクロネシア連邦当局から
臨検を受け、拿捕された。当局から「GPSが約30マイル(約48キロ)ずれている」と指摘され、
2回にわたる領海侵犯をしたとして1回5000万円の計1億円の罰金を命じられた。
友井船長ら乗組員は現在、ヤップ島の港に接岸された同船の中で過ごし、船外での行動を制限され、
拘束状態にある。当局との交渉を依頼したグアム島からの弁護士の到着を待ち、
これまでの経緯を説明した上で、拘束解除のための対応を協議する。
友井船長によると、ミクロネシア当局の担当者は普段は笑顔で会話をするが、
友井船長らの航海日誌や船の図面などの資料を奪おうとするなど、対応に疑問を感じるという。
また友井さんは同国のトラック諸島でも宮崎県の漁船が世界衛星通信装置(インマルサット)の
電源を入れずに漁場に向かい拿捕され、1億円の罰金を請求され、約1年前から現在も
拘束されたままになっていることを聞き、自身の処遇に不安を抱いているという。
友井船長の妻の幸子さん(60)は「離れた場所にいるのでとても心配。
一刻も早く解決し元気に漁を続けてほしい」と話し無事の解放を願った。(池田哲平)
琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-137919-storytopic-1.html