【ノーインテリジェンス】 KY田母神空幕長の国益空爆 不用意な情報発信は危機管理意識の死角から

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6ランボルギーニちゃんφ ★
>>5の続き

●「論文」以前の「打ちっぱなしメモ」

 指摘したい第二の「内容以前の問題」は、「論文」などと呼ばれている、このワープロ打ち
9枚の文書の「脇の甘さ」です。
 一国の軍務のトップに立つ者が、仮に「個人的」といっても「研究」の「論文」のといって、
こんな丸腰の文章に自分の名と役職を付して出している無防備さを指摘しなければなりません。
 田母神さんは防大で電気工学を専攻したそうですが、防大の電気電子の教官は、
例えば実験レポートで無検証の印象を羅列したものに「可」以上の成績を出したのでしょうか?
 さらに、資料によれば田母神氏は「統合幕僚学校校長」も務めたといいます。そんな人物が
 「竹島も韓国の実行(ママ)支配が続いている」
 などと、誤変換そのまま、(言うまでもないですが「実効」支配)、ワープロ打ちっぱなしで、
副官の査読などチェック機能の働いていない文書を出すのが、そもそも用心が足りません。
 「定年退職記者会見」では、問題以前のやり取りが見られました。
報道陣でしょうか、「論文は本や雑誌の引用がほとんどで独自の研究とは言いがたい」と
指摘するのがそもそも大間違いで、不用意な引用とは無関係に、文書の末尾にはいきなり、
それまでの議論と無関係に「イイタイコト」が天下りで出てきます。
論証の手続きが踏まれていませんが「独自の見解」ではあります。しかし「研究」ではありません。
ただ「イイタイコト」を言っているだけで、そのまわりに直接は無関係なエピソードが並んでおり、
論理的な整合性は認められません。
 もし私の学生が「レポート」としてこういうものを出してきたら「これは大学以上のレベルで
レポートとは言わない。<メモ>である。再提出」と差し戻すことにしています。
 この「メモ」には、整理された引用出典や参考文献、論拠の一覧などがなく、章立ても整理もない、
誤変換を含む文章がだらだらと続いているだけで、「論文」などと呼ぶことが、そもそも誤解を
生みますから、以下では二重に括弧をつけて「<論文>」と書くことにしましょう。
 しかも困ったことに、田母神氏本人が「書かれたものを読んで意見をまとめた。
現職なので歴史そのものを深く分析する時間はとれない」などと、やっつけのメモに自分の名と
職位を記して不用意に公開したことまで明かしてしまっています。これは自覚したほうがよい誤りです。

 具体的に中身を見てみましょう。

(続く)