【ノーインテリジェンス】 KY田母神空幕長の国益空爆 不用意な情報発信は危機管理意識の死角から

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2ランボルギーニちゃんφ ★
>>1の続き

●事実経過から
 そもそも、11月3日、最後まで無届で行われた「退職記者会見」で「これほどの大騒ぎになるとは予測してなかった」
と語っているところで、すべて致命的なのですが、まずは順番を追って考えてゆきましょう。
 不動産関連企業アパグループは10月31日今年5月10日から「『真の近現代史観』懸賞論文」の募集を行い、
渡部昇一氏を審査委員長として230通超の応募作を審査の結果、田母神俊雄氏(60 航空幕僚長)の
「日本は侵略国家であったのか」を「最優秀藤誠志賞」に選出、懸賞金300万円と副賞として
全国アパホテル巡りご招待券を授与すると発表しました。
 田母神氏の「論文」は「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬだ」として、旧満州・朝鮮半島の
植民地化や第2次大戦での日本の役割を正当化し、集団的自衛権の行使を禁じる現行憲法に疑問を呈する、
現在の政府見解を否定する内容でした。
 防衛省詰めの報道各社に報道発表文が配布されたことから事実が明るみに出、政府は事態を重く見て
直ちに対策を協議、浜田靖一防衛相は31日夜、田母神氏の更迭を決め、深夜の持ち回り閣議で
航空幕僚監部付とする人事が承認されました。

●戦後50年目に確立された「村山談話」
 現在の日本国政府の、この問題に関する正式見解は、第2次世界大戦終結から50年目にあたる1995年8月15日、
当時の村山富市首相名で発表されたいわゆる「村山談話」が採用されており、麻生太郎首相も就任早々これを
踏襲する旨を明らかにしています。念のため村山談話の当該部分を引用しておきましょう。
 「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、
植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。
私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、
ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。
また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。」
 「敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、
責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを
押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、
核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが
肝要であります。」 (続く)