【福田退陣】自民地方組織、失地回復へイメチェン
安倍晋三前首相に続く福田康夫首相の「政権投げ捨て辞任」で、自民党への逆風を
警戒する各都道府県連は10日告示の党総裁選で、党員らによる予備選実施を決めるなど、
イメージアップに躍起だ。「世界的に見ても不安定」「リーダーとして失格」…。
2年連続の「投げ捨て辞任」には3日も批判が相次いだ。
●風当たり
「オープンな選挙をやらないと、国民の信頼は得られない」。
東京都連は急遽、党員らによる予備選を実施することを決定した。
全党員に投票用紙を配り、22日に開票。得票数がもっとも多い候補に都連が持つ3票を割り当てるという。
都連の関係者は「福田首相の無責任ともいえる辞任で混乱しているのに、国会議員だけの選挙によって
日本の新しいリーダーになる党総裁を選ぶことは、できない」と予備選に踏み切る理由を説明する。
神奈川や山梨、新潟、埼玉なども予備選を実施する方向で準備を進めている
「国民の風当たりは強い。そのためにも予備選は必要」(埼玉)「少しでも国民の理解を得るため、
予備選をやらないといけない」(山梨)。地方組織レベルで「開かれた総裁選」を演出し、
福田首相が政権を放りを投げたことによる“傷口”を少しでもふさごうとしている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080903/stt0809032236013-n1.htm ●言葉の政治力
「(次は)ある一定の期間は続ける人がよい。
1年で2人も(首相が)交代するのは、世界的に見ても不安定な政治情勢という見方は免れない」。
山形県の斎藤弘知事は3日の記者会見で、2代続けての政権投げ捨てをそう批判した。
福田首相は1日夜のサプライズ辞任会見で、自らの実績のアピールから始め、ときには記者の
質問に気色ばんだ。そんな首相に、「武器としての〈言葉政治〉」の著者で、名古屋外国語大教授
(情報政治学)の高瀬淳一さん(49)は「自慢から逆ギレという会見の構成で国民に非難され、
さらに不信感も増幅した」。最近2代の首相を「旧来の自民党の政治スタイルをぬぐい去ることが
できなかった」とみる。
高瀬さんが評価するのは小泉純一郎元首相。
「言葉の政治力」があるからだという。「国民に聞いてみたい」と郵政解散に打って出た
小泉元首相に対し、安倍、福田両氏は国民にアピールする力が足りず、「リーダーとして失格だ」という。
麻生太郎氏は“ポスト福田”にいち早く名乗りをあげ、小池百合子氏も総裁選出馬に意欲を見せるが、
高瀬さんは「今の政治構造を大きく変えると国民にはっきりと示せる、言葉の政治力のある人が
今こそ求められている」と指摘している。
産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080903/stt0809032236013-n2.htm