★首相退陣表明:早期に自民総裁選 次期は選挙管理内閣か
福田康夫首相の辞任表明を受けて、自民党は後継総裁を選ぶための党総裁選を早期に実施する。
間近に迫る衆院選へ弾みを付けるため党員選挙も行う方針で、後継首相の国会指名と新内閣発足は、
早くても9月下旬となる。福田首相が表明していた臨時国会の9月12日召集は、それ以降に
ずれ込むことになる。
次期政権は、文字通り「選挙管理内閣」となる公算が大きく、臨時国会は総合経済対策の
裏付けとなる08年度補正予算案の成立に集中し、成立後の年内にも衆院解散・総選挙を
断行する可能性が強まっていくと見られる。
福田首相は1日夜の辞任表明に先立って夕方、首相官邸で麻生太郎自民党幹事長に辞意を伝え、
「総裁選の日程を決めてほしい」と指示した。首相は臨時国会を9月12日に召集し、
会期を11月20日までの70日間とする意向だったが、辞任表明でご破算となる。
自民党幹部は「首相がこの時期に辞任したのは、民主党代表選(9月8日告示・21日投開票)に
総裁選をぶつけ、複数の候補で争うことで、開かれた自民党をアピールしたいという思いも
あったのだろう」と推測する。
小泉純一郎元首相の後継を決めた06年総裁選は「9月8日告示・20日投開票」、
安倍晋三前首相の辞任に伴う07年総裁選は「9月14日告示・23日投開票」の日程で行われた。
今回も2週間程度を要する見通しだ。
公明党は、年末年始の衆院解散・総選挙の実現を狙い、臨時国会の召集時期や会期の幅、
定額減税などをめぐり、福田首相に要求をのませてきたが、今回の辞任で同党幹部は
「解散はさらに早まった」との見通しを語る。
福田首相は臨時国会の課題として、▽08年度補正予算案▽海上自衛隊のインド洋での
給油活動のための新テロ対策特別措置法の延長問題▽消費者庁設置関連法案−−
などを挙げていたが、参院で多数を持つ民主党は、補正予算案や新テロ対策特措法などに
反対しているため、次期政権は最小限、補正予算案の成立に集中せざるをえないとみられる。
公明党支持団体の創価学会幹部は、麻生氏が自民党総裁選で勝利すると予測し
「麻生首相になった場合、補正予算成立などで内閣支持率を上昇させたら直ちに
衆院解散を行うことを確認している」と漏らす。
また、「次期政権では新テロ対策特措法案の成立は不可能だ」と指摘した。
ただ、最大派閥・町村派の中川秀直元幹事長は麻生氏の財政出動路線を批判しており、
総裁選に自らが率いる「上げ潮派」を勢力基盤として、小池百合子元防衛相を擁立する
可能性も取りざたされる。麻生氏が幹事長就任の際、第三派閥を率いる古賀誠選対委員長を
党四役から外そうとしたとされる問題も尾を引いており、総裁選は麻生氏を軸にしながらも
展開は予断を許さない。【犬飼直幸】
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080902k0000m010155000c.html